XMLサイトマップでは正規URLだけを送信する

イラストレーション : 坂本典子

この記事はコンサルホーダイ(中小企業向け定額使い放題のコンサルティングサービス)のサポート情報を含んでいます。

正規でないURLを含むXMLサイトマップを送信することは、Googleによる正規URLの評価を混乱させる原因となり、サイト運営者にとって大きな損失につながります。この記事では、カバレッジレポートがエラーだらけになっているサイトを対象に、XMLサイトマップの適切な取り扱いについて解説します。

概要

サーチコンソールのインデックス カバレッジ レポートにおいて、大量のエラーや警告が報告されている場合、放置してはいけません。早急な改善が必要です。そうしたインデックス状況の改善は、SEOの技術面において最も重要かつ基本的なことのひとつです。

5xxサーバエラーを除くと、大量のエラーや警告の原因は、送信しているXMLサイトマップが不適切であることです。不適切なサイトマップの送信は、インデックス状況の適切な管理を妨げるだけでなく、検索流入にマイナスの効果を及ぼします。

適切なサイトマップとは、正規URLだけをリストしたサイトマップです。インデックス カバレッジ レポートで大量のエラーが出ているサイトは、ただちに適切なサイトマップに差し替えるか、それが難しい場合にはサイトマップの送信を停止することによって、検索流入の損失を回避することができます。

この記事の対象読者

  1. サーチコンソールのインデックス カバレッジ レポート大量のエラーや警告が報告されていて、それを放置しているサイト運営者
  2. 「トップページのURLを入力するだけでXMLサイトマップを自動生成」のようなサードパーティー製のツールを用いて作成したXMLサイトマップを、内容の検証や修正なしにそのままサーチコンソールに送信しているサイト運営者
  3. 適切なXMLサイトマップを生成する機能を持たないシステム(カートASPやインストール型カートのほぼすべて)を利用している独自ドメインECサイトでは、上記1および2に該当するサイトが非常に多く、特に注意が必要です。

この記事の要点

  • サイトマップの送信は必須ではありません。また、サイトマップを送信しないことが不利益になることもありません。適切なサイトマップを自動生成できないシステムを使っている場合、サイトマップの送信を中止してください。
  • 適切なサイトマップとは、正規URLだけを記載したものです。正規でないURL(重複や404やnoindexなど)が記載されたXMLサイトマップの送信は、Googleによる評価を混乱させ、サイト運営者の不利益につながります。
  • 不適切なXMLサイトマップに起因する問題は、サイトマップを適切なものに修正することで解決できます。ただし多くのサイトでは、サイトマップの送信を単に停止するだけで解決が可能です

得られる結果

以下の画像はコンサルホーダイ参加者さんのサイトにおいて、サービス提供開始(2020年2月)から3ヶ月で変化した検索流入の推移です。3ヶ月というごく短期間のうちに、多くのサイトで大きな改善効果があり、検索流入は数倍(2.5倍から10倍程度)に伸長しています。

上の画像の結果はどれも、正規でないURL(重複URL)を大量に含む不適切なサイトマップを削除したことによって得られたものです。不適切なサイトマップを送信するくらいなら何もしないほうがいい結果が得られるという例です。

一見すると検索流入が目覚ましく改善したように見えますが、実際のところは、余計なこと(重複URLを含む不適切なサイトマップの送信)をして損していた状態から、普通の状態(サイトマップを送信しない)に戻っただけにすぎません。

サイトマップの役割

よくサイトマップ送信はクロールを促進するためという説明がされますが、この説明は正確ではありません。Google公式のヘルプでは、サイトマップについて次のように説明されています。あくまでも高度なクロールをするために使われると説明されており、クロールを促進するとは説明されていません。

サイトマップとは、サイト上のページや動画などのファイルについての情報や、各ファイルの関係を伝えるファイルです。Google などの検索エンジンは、このファイルを読み込んで、より高度なクロールを行います。

サイトマップについて(「サイトマップについて – Search Console ヘルプ」より)

1日に数十万以上のページが更新される極端な大規模サイト(大量のニュース記事と、さらに大量のコメントが更新され続けているYahoo! ニュースなど)でもない限り、一般的なサイトではサイトマップにクロールを促進する効果は期待できません。まずは誤解の多いこの点について説明します。

クロール促進の効果は薄い

そもそもGooglebotは十分なクロール能力を持っているため、クロールの促進を意図してサイトマップを送信しても、特別な効果は何もありません。リンクをたどれる場所にあるURLであれば、サイト運営者が何もしなくてもすべてクロールできるからです。Google公式では、次のように説明されています。

サイトの各ページが適切にリンクされていれば、Google は通常、サイトのほとんどのページを検出できます。

サイトマップが必要かどうか(「サイトマップについて – Search Console ヘルプ」より)

これが意味するところは、ナビゲーションリンクが適切に機能しているサイトであれば、サイトマップがなくても問題なくサイト内のほとんどのページを検出、クロールできるということです。また、同じページには次のような説明もあります。

サイトマップはサイト内のどのファイルが重要かを Google に伝えるだけでなく、重要なファイルについての貴重な情報(ページの最終更新日、ページの変更回数、すべての代替言語ページなど)も提供します。

サイトマップを使用して、動画画像のコンテンツなど、特定のタイプのコンテンツに関する情報を提供できます。例:

  • サイトマップの動画エントリで、動画の再生時間、カテゴリ、年齢制限のレーティングなどを指定できます。
  • サイトマップの画像エントリには、画像のテーマ、タイプ、ライセンスなどを指定できます。

サイトマップについて(「サイトマップについて – Search Console ヘルプ」より)

上記が意味しているポイントを補足してまとめると、次のようになります。これらはどれもページについての詳細な情報を伝えるもので、単にURLの一覧を送ってクロールを促進するというものではないことがわかります。

  • 重要なURL(正規URLを指しています)を伝える
  • 公開日や更新日、代替言語ページのURLなどの追加の情報を伝える
  • ページに含まれる動画や画像についての詳細な情報を伝える

ほとんどすべてのサイトにおいて、クロールを促進するためにサイトマップを送信しても、意図した効果は得られません。次項では、現状におけるサイトマップの役割である「正規URLの指定」について説明します。

正規URLの指定のために使う

現状におけるサイトマップの主な役割は、正規URLをGoogle伝えることです。サイトマップの作成と送信について説明したGoogle公式のドキュメントでは、サイトマップ作成の最初の手順は「正規URLを決めること」と説明しています。

  1. サイトのどのページを Google にクロールさせる必要があるかを判断し、各ページの正規 URL を決めます。

サイトマップを作成、送信する(「サイトマップについて – Search Console ヘルプ」より)

サイトマップは正規URLを送信するものであり、正規URLが定まっていないサイトではサイトマップを送信するべきではありません。正規でないURL(重複URLや404やソフト404やnoindexのページなど)を送信するのは明確に誤りです。

上で紹介したページ(ぜひすべて目を通してください)には以下のような記述もあります。これらの記述もまた、正規URLだけを送信するように念押しするものです。

  • サイトマップは、重要だと見なすページを Google に推奨するためのファイルです。
  • サイトマップには正規 URL のみをリストします。
  • セッション ID は URL から除外してサイトマップに指定し、URL が重複してクロールされないようにします。

また別のページ(URLの正規化に関するページです)には、サイトマップの送信について次のような説明があります。

サイトの各ページについて正規 URL を選び、サイトマップで送信します。サイトマップに含まれるすべてのページが正規ページとして提示されるので、Googlebot は、コンテンツの類似性に基づいて、どのページが重複しているか(重複ページがあるかどうか)を判断することになります。

(中略)

サイトマップには、正規ページ以外のページを含めないでください。サイトマップを使用する場合、サイトマップでは正規 URL のみを指定します。

サイトマップを使用する(Search Console ヘルプ「重複したURLを統合する」より)

参照先のGoogle公式ドキュメントまで含め、ここまでこの文章を読み進めれば、XMLサイトマップは正規URLだけを送信するものであり、重複URLなど正規でないURLを含む不適切なサイトマップは送信すべきでないことはご理解いただけたことでしょう。

正規URLについての知識が不足していたり、またはお使いのシステムに適切なサイトマップを生成する機能がないような場合は、サイトマップ送信そのものをしない、というのが最適解です。サイトマップ送信は必須ではなく、送信したサイトマップが不適切だった場合には損失を被るためです。

重複URLの送信は絶対に避ける

トラッキング用パラメーターやセッションIDを含むURLに代表されるような重複URLは、サイトを運営していれば必ず発生します。しかし、そのこと自体はマイナス要素ではありません。正規URLがインデックスに登録され、重複URLは適切に除外されていればそれで構いません。

一方、重複URLを大量にサイトマップ送信することは厳禁です。上で「得られる結果」として示した例のすべてで、大量の重複URLがサイトマップ送信されていました。重複URLも含めた無差別かつ大量のサイトマップ送信は、大きな損失を引き起こします。

サイトのすべての URL がインデックスに登録されるわけではありません。目標は、すべてのページの正規バージョンがインデックスに登録されることです。重複ページや代替ページには、このレポートでは「除外」ラベルが付けられます。

レポートの見方(「インデックス カバレッジ レポート – Search Console ヘルプ」より)

上記はインデックス カバレッジ レポートの見かたについてのGoogle公式のヘルプの記述です。ここで述べられていることは、重複URLを含むあらゆるURLをサイトマップに送信するのは明確に誤りだということです。重要なことは次の2点です。

  • すべての正規URLを確実にインデックスに登録する
  • 重複URLをできる限りインデックスから除外する

これらのために、正規URLだけを掲載したサイトマップを送信したり、link要素canonicalを使ったアノテーションを実装したり、場合によってはnoindexディレクティブを設定したり、といったことをしますが、どれも必須の要件ではなく、内容をよく理解していて実装が可能な場合にだけ実施するものです。

というのも、サイト運営者が余計なことを何もしなければ、Googleは適切に正規URLと重複URLを判断し、正規URLをインデックスに登録、重複URLをインデックスから除外します。つまり、よくわからなければ何もしないことが正解です。

損失と利益

適切なサイトマップを送信すればメリットがある反面、不適切なサイトマップを送信すればデメリットがあります。この項では、メリットとデメリットについて説明します。とりわけ、不適切なサイトマップを送信した場合のデメリットが非常に大きいため、まずはそちらから説明します。

不適切なサイトマップによる損失

正規でないURLを含む不適切なサイトマップの送信は、結果として検索流入の低下を招きます。本来であれば正規でないはずのURL(重複URL)を、正規URLであると認識するようにGoogleに指示すれば、次のような問題が発生するためです。

  • 正規URLの特定が妨げられ、評価が定まりにくくなってしまう – 本来なら正規ではないURLがインデックス登録され、その一方で正規のURLが重複URLとしてインデックスから除外されてしまえば、ページの本来の価値を正しく評価してもらうことは期待できません。
  • 同じ(または類似の)内容に向けられたリンクなどのシグナルが分散し、本来の評価が得られなくなっててしまう – 同じ内容に向けられている被リンクなどのシグナルが複数のURLに分散してしまうことで、本来の評価が得られなくなり、結果として検索順位の低下につながってしまいます。
  • 重要なページのクロール頻度が下がってしまう – 本来であれば重複URLとしてクロール頻度が下がるはずのURLをサイトマップ送信することによって、重複URLのクロール優先度が高いままになってしまい(いわゆるクロールバジェットを無駄遣いしている状態)、その結果として、本来の正規URLのクロール頻度が下がってしまいます。
  • インデックス状況の見通しが悪くなってしまう – インデックス カバレッジ レポートに大量のエラーが報告され、また、「有効」の項と「除外」の項にも不要な報告が大量に出てくるため、本来であればサイトの健全性の確認と向上に役立つツールであるインデックス カバレッジ レポートの有用性が低下してしまいます。

そのほか、これはあくまでも筆者の主観であり客観的な確認が取れていることではないのですが、不適切なサイトマップを送信し続けたことで、そのサイトのサイトマップに対するGoogleからの信頼性評価が低下した(サイトマップが無視されている)としか考えられない事案にも何度か遭遇しています。

具体的には、送信し続けていた不適切なサイトマップを取り下げて新しく適切なサイトマップを送信しても、新しく送信した正規URLのクロールが遅く、重複の問題の解決に過大な時間がかかってしまう、というような事案です。不適切なサイトマップの送信は避けるべきです。

適切なサイトマップを送信する利益

サイトマップを送信してもクロールを促進する効果は低いということについては、すでに述べたとおりです。また、サイトマップの送信は必須の要件ではなく、多くのサイトでは送信しなくても何の問題もありません。不適切なサイトマップを送信するくらいなら、何もしないほうがずっとよい、ということについてもすでに述べました。

一方で、正規URLだけをリストした適切なサイトマップを送信している場合には、正規URLのインデックス状況の管理に役立ちます。Googleの公式ヘルプには、サイトマップを送信するメリットとして次のような記載があります。

  • 特に大規模なサイトの場合、正規ページの指定や維持管理が簡単にできる

正規ページを指定する(Search Console ヘルプ「重複したURLを統合する」より)

上記は、サイトマップ送信(もちろん適切なサイトマップを送信する場合に限ります)のメリットとして、次の2点が挙げられることを意味しています。

  • サイト運営者が指定する正規URLをGoogleに指示できる。
  • サイトマップで送信した正規URLがインデックスに登録されていないなどの問題が生じたとき、状況を把握し、原因を究明し、健全な状態に改善するためのヒントが、インデックス カバレッジ レポートを通じて簡単に得られる。

小規模(有効なインデックス登録数が1,000以下)のサイトであれば、サイトマップがなくてもインデックス カバレッジ レポートで状況を完全に把握しながら改善していくことが可能ですし、サイトマップがある場合と比較しても、インデックス状況を把握し改善する手間はそれほど変わりません。

しかしサイトの規模が大きい場合には、インデックスの健全性を改善したり維持したりするうえで、サイトマップは有用です。Google公式にも次のような記述があります。

サイトマップ内の URL が正規と見なされることは保証されませんが、サイトマップを使うと、大規模なサイトでも正規 URL を簡単に設定でき、また、サイト上のどのページを最も重要と見なすかを Google に伝えるのに役立ちます。

サイトマップを使用する(Search Console ヘルプ「重複したURLを統合する」より)

ここで注意したいことは、サイトの規模の大小にかかわらず、サイトマップが有用になるのはインデックス カバレッジ レポートをきちんと活用している場合に限られることです。次項ではそのインデックス カバレッジ レポートを使って、送信しているサイトマップが適切なものであるかを確認する方法を説明します。

インデックス カバレッジ レポートの確認

サイトマップで送信されたURLについてGoogleは、サイト運営者が正規URLとして指定したものとして処理します。しかしGoogleはサイトマップで送信されたURLを、正規URLを決めるためのヒントとして受け取りはするものの、サイトマップで送信したURLを常に正規URLと判断するとは限りません。

Googleは、サイト内外のリンクの構造や、ページ上に明示的に記載された正規URLの情報(canonicalリンクタグなど)を解析したうえで、適切な正規URLを判断します。このため、サイトマップで送信されたURLとは別のURLが正規URLとしてインデックスに登録されることがあります。

上記のように、サイトマップで送信したURLが正規URLとみなされなかった(別のURLが正規URLとみなされた)場合には、サーチコンソールのインデックス カバレッジ レポートで確認することができます。確認すべき場所は「エラー」の項と「除外」の項です。その際に注目すべきポイントは「送信された URL」という文字列です。

「送信されたURL」に注目

インデックス カバレッジ レポートを見るときに注目すべきは「送信されたURL」という文字列です。報告されているエラーや警告の型(タイプ)が「送信されたURL」という文字列を含んでいる場合、そのエラーや警告の項目はサイトマップの不備に起因している可能性が高いからです。

インデックス カバレッジ レポートでは、この「送信されたURL」という文字列に注目しながら、「エラー」の項と「除外」の項を確認していきます。それぞれの項目について、以下で順に説明します。

「エラー」の項

インデックス カバレッジ レポートの「エラー」の項です。不適切なサイトマップが送信されている場合、まずはこの項に大量のエラー報告が上がってきます。この項に大量のエラー報告がある場合、サイトマップが不適切であることを疑いましょう。

以下のエラーおよび警告はすべて、正規でないURLを送信した結果としてインデックス カバレッジ レポートに報告されるものです。これらのエラーや警告が大量に報告されている場合、送信しているXMLサイトマップが不適切であるためにGoogleの評価が混乱していることを示しています。

  • 送信された URL が robots.txt によってブロックされました – robots.txtでGooglebotのクロールをブロックしているURLがサイトマップ送信されてしまっている場合に報告されます。
  • 送信された URL に noindex タグが追加されています – robotsメタタグまたはx-robots-tagで、noindexが指定されているURLがサイトマップ送信されてしまっている場合に報告されます。
  • 送信された URL はソフト 404 エラーのようです – 中身が空っぽか、空っぽに近いページ(検索結果に露出させる価値のないページです)のURLがサイトマップ送信されてしまっている場合と、302 Foundを返すURL(カスタム404ページの設定ミスが原因になっていることがよくあります)がサイトマップ送信されてしまっている場合に報告されます。
  • 送信された URL が未承認のリクエスト(401)を返しました – Basic認証がかかっているURLがサイトマップで送信されてしまっている場合に報告されます。
  • 送信された URL が見つかりませんでした(404)– 存在しないURL(すでに削除されたかリンクミスで404 Not Foundが返るURL)がサイトマップで送信されてしまっている場合に報告されます。
  • 送信された URL のクロールに問題があります – 不明なクロールエラー(401または404以外の 4xx エラーであることが多いです)が返るURLがサイトマップで送信されている場合に報告されます。

こうしたエラーの意味や対処方法についてはインデックス カバレッジ レポート – Search Console ヘルプに解説がありますが、正しいサイトマップが送信されていることが前提となっており、残念ながらあまり有用とは言えません。上記のようなエラーを目にした場合、まず疑うべきはサイトマップのほうであることに留意しましょう。

上記のようなエラーは基本的に、正規でないURLをサイトマップ送信したときに報告されるものですから、対応としてやるべきことは、サイトマップを出力するシステムを調整し、正規でないURLがサイトマップに掲載されないようにするというものです。それが難しい場合にはサイトマップそのものを削除します。

「除外」の項

Googleがサイト内外のリンク構造やコンテンツを解析した結果、サイト運営者がサイトマップで指定したURLとは異なるURLを正規URLとして扱うことがあります。こうした場合、サーチコンソールのインデックス カバレッジ レポートの「除外」の項に、以下のタイプの報告が表示されます。見逃されがちですが極めて重要な報告です。

  • 重複しています。送信された URL が正規 URL として選択されていません – サイトマップで送信したURLとは別のURLがGoogleによって正規URLとみなされ、サイトマップで送信したURLは重複として除外されてしまっている場合に報告されます。

送信したサイトマップが適切なものだった前提であれば、上記の報告が上がってくる原因としては、サイト運営者が考えている正規URLではないURLに対して内部リンクや外部からの被リンクが向けられていることや、canonicalリンクタグの設定ミスなどが考えられます。

しかしこの報告が出る場合もエラーの場合と同様、サイトマップに記載されたURL(つまり送信されたURL)がそもそもおかしいことがほとんどです。きちんと正規URLだけを送信しているかを確認し、重複URLが送信されているようであればサイトマップを修正する必要があるでしょう。

独自ドメインECに特有の事情

サイトマップで正規URL以外を送信したり、その結果としてエラーや警告だらけになっているインデックス カバレッジ レポートを放置する、という状況は、独自ドメインECサイトにおいて非常に多く見られる現象です。

筆者が提供するコンサルホーダイにはEC事業者さんに多く参加いただいているのですが、その大半が、重複URLを大量に掲載したサイトマップを送信し、大きく損をしている状況でした。この状況が起きてしまった背景には、独自ドメインEC事業者さんに特有の事情があります。

カートの多くがサイトマップ非対応

独自ドメインEC事業者に特有の事情として、適切なサイトマップの生成を初期状態でサポートしているカートシステムがほとんどないという状況があります。これはASPカートもインストール型カートも同様です。

多くのカートシステムは、サイトマップの出力に対応していないか、対応していたとしても初期状態では重複URLを含むサイトマップを出力するものが多いため、正しいサイトマップを送信することは不可能かまたは非常に困難です。

偽情報「サイトマップは必須」が流通

ところがネット上には「サイトマップは必須」という偽情報が大量に存在します。この嘘を見抜くためには、ある程度の知識や、確認検証をする慎重さが求められます。しかし小規模事業で多忙を極めているEC事業者さんにとっては、嘘を見抜くことは残念ながら難しいでしょう。

さらには、EC事業者の任意団体や、カートASP、自治体などが主催する勉強会において、講師が「サイトマップは必須」という嘘を広めているという状況も複数例確認できています。その中には、あちこちで登壇していて著書もある立場でありながら嘘の指導をしたコンサルタントも3名ほど特定しています。

EC事業者さんがセミナー講師を疑うことは困難であり、盲信してしまうのも無理はありません。他人に指導する立場の方には、Google公式のヘルプには目を通し、内容を理解してから指導にあたるようにしてほしいものです。

サイトマップ生成ツールが推奨された例も

本来、使っているシステムに適切なサイトマップを生成する機能がないのであれば、サイトマップを送信しなければよいだけです。ところが、サードパーティー製の簡易なサイトマップ生成ツールを推奨するブログ記事やセミナー講師も確認できています。

サードパーティー製のサイトマップ生成ツールとは次のようなもので、取り扱いには注意が必要なだけでなく、むしろ弊害のほうが大きいという問題のあるものです。よほど詳しく、しかも時間が有り余っているような場合を除き、おすすめはできません。

  • トップページのURLを入力すると、リンクをたどってサイト内のページをスキャンし、検出されたURLの一覧をXMLサイトマップの形式で出力し、ユーザーはそれをダウンロードまたは保存できる。
  • オンラインで使える無料のものから、端末にインストールする有料のものまで数多く存在する。
  • クロールしたURLをリストするだけという単純なもので、内部リンクにトラッキング用パラメーターが挿入されているサイトや、内部リンクの正規化が不十分なサイト、セッションIDを使用するサイトなどでは、重複URLがリストされることは避けられない。

この種のツールを使うのであれば、出力されたXMLファイルの内容を精査し、重複URLを取り除いてからサーバにアップロードしなければなりません。その手間を惜しむのであれば弊害のほうが大きいため、安易に他人に推奨してよいものではありません。

この記事の冒頭で「得られる結果」として示した例のほぼすべては、サードパーティー製のサイトマップ生成ツールを使用して大変な損をしていました。勉強会の講師に推奨されたことを素直に実行しただけですが、これによって失った利益はもう二度と戻ってきません。

また、EC事業者さんからの依頼を受けたウェブ制作者が、不適切なサイトマップを定期的にアップロードしていたケースも複数あります。その流れがコンサルタントの指示によるものだったケースさえあります。何かの施策を実施したらインデックス カバレッジ レポートで結果を検証する習慣をつけていないと、どこでどんな被害に遭うかわかりません。

まとめ

最後にまとめとして、サイトマップに起因する不具合の対応について説明したうえで、注意点をまとめておきます。

サイトマップ送信の停止で対応するケース

以下のような場合にはサイトマップを送信する必要はありません。サイトマップの送信を停止(サーチコンソールから削除し、可能ならサーバ上からも削除)し、正規URLの抽出や重複URLの除外はGoogleに任せましょう。

  • 正規URLと除外URLについてよく理解できていない場合
  • お使いのシステムにサイトマップを生成する機能がない場合
  • お使いのシステムが生成するサイトマップが、正規URLだけを掲載する正しいサイトマップではなく(重複URLも含めて生成してしまう)、設定や修正が難しい場合

サイトマップは正規URLを指定するヒントとしてはそれほど強いものではありません。正規URLの指定および重複URLの除外をしっかりやりたい場合には、link要素canonicalを使ったアノテーションや、301リダイレクトなど、より強力な代替策がありますので、そちらを選択しましょう。

サイトマップの修正で対応するケース

正規URLだけをサイトマップに出力できる機能があるシステムをお使いの場合と、正規URLの指定にサイトマップを活用しなければならない特別な事情がある場合には、サイトマップを修正して完璧に仕上げる対応をします。具体的には以下のような場合です。

  • 正規URLと除外URLについてよく理解している場合
  • お使いのシステムにサイトマップを生成する機能があり、かつ、正規URLだけを掲載できるように設定が可能な場合
  • サイトの規模が大きすぎ、正規URLのインデックス登録状況を管理するためにサイトマップ送信が避けられない場合
  • 内容が更新されたり新しく追加されたりするページが毎日のように数万から数十万以上もあり、クロールすべきURLを効率的にGoogleに伝達する必要がある場合

現状では、中小の独自ドメインEC事業者さんにこの方法をおすすめすることは基本的にありません。上記のどれにもあてはまらないことがほとんどであるためです。

注意しておきたいこと

すっかり長い記事になってしまいましたが、それには理由があります。コンサルホーダイ参加者さんの多くも、前述した偽情報「サイトマップは必須」を強く信じており、サイトマップの削除をお願いしても抵抗感を持たれることが少なくありませんでした。サイトマップ関連には根強い誤解があります。

その誤解を解き、サイトマップ送信は必須ではないだけでなく、不適切なサイトマップの送信はデメリットが重大であるため削除すべき、ということを理解していただくために、この記事を書きました。以下の各項を含め、参考にしていただけたらと思います。

  • XMLサイトマップの送信は必須ではありません。ナビゲーションリンクをたどってすべての主要ページに到達できる構成の一般的なサイトであれば、クロールを促進する効果も期待できません。正規URLを指定する(あくまでヒントとして)ためのものです。
  • 適切でないXMLサイトマップを送信してしまうと、非常に大きな損失が発生します。送信しているXMLサイトマップが適切でない場合、ただちにサーチコンソールから削除して送信を停止し、可能であればサーバからも削除してください。
  • インデックス数は多ければ多いほどよいというものではありません。重複URLがインデックスされることは明確に害があります。あらゆるURLを無差別にサイトマップ送信するのではなく、正規URLだけを選別して送信するようにしてください。
  • 正規URLがきちんとインデックスに登録されているか、また、重複URLがきちんとインデックスから除外されているかを、インデックス カバレッジ レポートで定期的に確認してください。特にエラーや警告は放置しないでください。
  • サードパーティー製のサイトマップ生成ツールを使用して自動生成したサイトマップには、重複URLが大量に含まれていることがほとんどです。そうしたファイルを無加工のまま送信しないでください。基本的にはこの種のツールの使用は推奨しません。
  • ごく簡単にでも構いませんので、Google公式のヘルプには目を通しておいてください。その少しの努力が、巷間にあふれる偽情報(故意に騙そうとしてではなく単に無知で流しているだけだと信じたいですが)からトラフィックと売上を守ります。

参考文献

この記事の内容は一般論であり、各サイトの固有の事情は考慮していません。個々のサイトへの適用については、十分な知識と経験を持った専門家に相談して判断してください。筆者が安価で提供しているコンサルホーダイがおすすめです。