海外で話題のSMO(Social Media Optimization)

ソーシャルメディアからのトラフィックを最大化することで短期間に膨大な流入を得ると同時に、ブログなどのソーシャルメディア上でのコミュニケーションや議論を通じた被リンク構築を実施し、中長期的には検索からの流入も増やすという、理想的なメソッドである「SMO」が、いま海外で話題になっています。

SMOが海外で話題に

ブログ記事「“Social Media Optimization”,一気にマーケッティング・バズに」で知ったのですが、いま海外で SMO(Social Media Optimization)という言葉が、かなりの勢いでバズワードとなっているようです。

もともとは、Rohit Bhargavaという人が「5 Rules of Social Media Optimization (SMO)」というエントリの中で8月10日に紹介したものなのだそうですが、一気にネット関係のマーケターの間でブレイクしたのだとか。その内容は、先のメディア・パブによれば次の通り。

ブログ検索Technoratiのようなソーシャルメディア検索エンジンとか,ブログ,ポッドキャスト,ビデオブログなどからのトラフィックを増やす対策を講じることを,Social Media Optimization と言っているのだ。さらに,恐らく,SNSやニュースアグリゲーターなどからのトラフィック増対策も包含しているのだろう。すでに,Digg対策が米国のブログでは話題になっているくらいだから。

さらに、そのSMOの具体的な指針として、以下の5項目が紹介されています。

1. Increase your linkability
魅力あるコンテンツを発信して,外部からできる限り多くのリンクを張ってもらうことが必要。ブログを設けることも重要。ホワイトペーパも有効。

2. Make tagging and bookmarking easy
”add to del.icio.us”のようなボタンを設けて,ソーシャル・ブックマーク・サイトでwebサイトのコンテンツを容易に取り込こんでもらえるようにする。

3. Reward inbound links
ブロガーがリンクを張りたくなるような環境を整える。まずWebサイト内の各コンテンツは必ずパーマリンクにする。さらに最近のリンク元をWebサイト上で掲載するのも,リンク張りのインセンティブを高める。

4. Help your content travel
Webサイト内では,PDFやビデオファイル,オーディオファイルのようなポータビリティの高いコンテンツを備えれば,外部からのトラフィックを誘導できる。YouTubeのビデオファイルが良い例。メディア・パブでもたびたびYouTubeのビデオを視聴できるようにしてきた。

5. Encourage the mashup
例えば,RSSフィード配信を実施すれば,Webサイトのコンテンツが外部のマッシュアップの対象となりやすい。そうすることにより,トラフィックを誘導できるし,Webサイトのコンテンツが外部で議論されるようにもなる。

短期のソーシャルトラフィック

さて、他のサイトの紹介はここまでにして、次に進みます。広告キャンペーンを除外して考えるなら、短期的に膨大な量のトラフィックをサイトにもたらす手段というのは、現実的にはこの”Social Media”からのトラフィック以外にはない、ということを感じておられる方も多いのではないでしょうか。

特にブログを書いていたりすると、del.icio.usやはてなブックマークといったソーシャルブックマークサイトや、他のブログからの参照などによって、短期間に数万から数十万のアクセスが集中するようなシーンを目の当たりにすることも珍しくありません。こうした爆発的なトラフィックの増加というのは、僕の経験上では、匹敵するのはネット上のニュースサイトからリンクされた場合だけです。

中長期の検索トラフィック

ソーシャルメディアで点火されたページが、どんどん他に飛び火していき、短期間に巨大なトラフィックをもたらした例というのは僕自身でも何度か体験しています。そうした盛り上がりが生み出す被リンク構築の効果についてまとめたのが、以前の記事「2.0時代のSEOは「釣り」と「煽り」」で、その要点は以下のようなものでした。

Web 2.0時代のSEOは「閲覧者を巻き込み、話題を提供し、被リンクを得ること」であり、これはベタな言い方をすれば「釣り」や「煽り」のようなものでしょう。人々が興味を持ち、釣られやすいネタを提供し、釣られた人々の間で賛成や反対などの議論を引き起こし、さらにそれを煽り、結果として大量の被リンクを獲得する、というものです。

この手法は、すでにアルファブロガーなどと呼ばれる人々によって実行されており、単なるトラフィック誘導や被リンクの獲得だけにとどまらない成果(例えば梅田さんの「ウェブ進化論」のベストセラー化など)を上げる例もあります。「ネタ」とか「釣り」とか「煽り」とかいう言い方が適切でないなら、「Buzzマーケティング」や「クチコミ・マーケティング」と読み替えてもよいでしょう。

いずれにしても、Tim O’Reillyが「What is Web 2.0」の中でSEOを2.0の側に分類したのは、僕がここまで書いてきたような「釣り」や「煽り」といった双方向のコミュニケーションこそが現在のSEOの要点であることを示しているのだと思います。

僕が少し古いエントリで述べていた上記のようなことが、冒頭で引用した「SMOの5つの指針」と非常によく整合しているということに気付かれる方も多いかと思います。こうしたことを実感する人が増えていくにつれ、Webマーケティングのあり方も大きくこの「SMO」の側に振れていくのかもしれません。(この「SMO」という呼び方が定着するかどうかは別問題としてですが)。

というのも、このSMOは上述したとおり、直接的なソーシャルトラフィックの誘因効果が極めて強いだけでなく、SEOにおける被リンク構築の効果も非常に高いためです。今後のSEOにとって、おそらくは欠かせない戦略の一つになっていくものと思います。

ネット集客の新しいスタンダードの予感

ネット上の言論や社会性を味方につけていくようなこの手法には、かなり大きな可能性があるように思えます。短期的にはソーシャルメディアから直接のトラフィックを獲得し、中長期的にはSMOで集めた被リンクの力で検索トラフィックを獲得する、という流れです。これこそ、これからの集客の新しい流れが生まれた瞬間ではないでしょうか。

追記:この話題はその後も世界中に広がり、Rohitが示した5つのルールは世界中のマーケターの手で追加され、最終的には18のルールとして結実しました。その全容および和訳は「SMOによる被リンク構築」で読むことができます。

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