SEOの作業の中心は検索者のニーズに沿った有用で高品質なコンテンツを継続的に制作・発信していくことであり、そこで実施者に必要なものは固定的な技術や技法ではなく、最良を求めて変化し続ける実践や習慣(ベストプラクティス)です。そうした日々の継続した取り組みを通じて、以下に解説するそれぞれの目標を達成することを目指します。

トラフィック流入経路の整備と拡大

SEOの目標のうちもっとも理解しやすく、取り組みを実施する最大の動機となるのが集客数の増加です。集客の増加は流入経路の整備と拡大を通じて実施します。その取り組みの中心は検索者のニーズに沿ったコンテンツの発信です。

  1. 検索結果における露出の拡大: 検索者の関心に沿った高品質なコンテンツを発信することを通じてユーザーに探されるサイトを構築し、オーガニック検索における露出を拡大する
  2. 検索結果ランキングの向上: 検索結果に表示される他のページとの比較において、より正確で、より詳細で、より新鮮で、より親切なコンテンツを制作することにより、被リンク構築の優先的選択を獲得し、検索結果における上位のランキングを獲得する
  3. 幅広いトラフィック流入経路の開発: 有用なコンテンツを継続的に発信することを通じて、ソーシャルメディア上での共有やウェブ上での被リンクの獲得を推進し、広告ではカバーできない幅広いトラフィック流入経路を開発する

ウェブはプル型の(必要な情報をユーザーが自分の意思で能動的に取得しに行くタイプの)メディアであるとよく説明されます。SEOは能動的・主体的に情報探索する人々に自分の意思でコンテンツを見つけ出してもらもらうものであり、ウェブのメディア特性に合致するプル型の集客手法です。

SEOにはコンテンツが欠かせません。それは検索結果の上位に表示されるにふさわしい有用で高品質なものである必要があるだけでなく、ソーシャルメディアで拡散したり被リンク構築につながるような魅力を備えていなければなりません。

顧客育成とコンバージョンの獲得

企業活動にとって、集客数を増やすだけの施策では足りません。最終的にはコンバージョンを獲得し売上げを向上しなければりません。したがって集客の次に必要となるのが顧客育成です。潜在客を見込客へ、見込客を利用客へ、利用客を顧客へと育成していくために、それぞれの段階に応じた情報を提供していきます。

  1. 潜在客から見込客への育成: 検索者の課題や問題を解決する有用な情報を継続に発信することでより多くの潜在客にリーチし、情報提供による貢献を通じて潜在客を見込客へと育成する
  2. コンバージョンの獲得: 潜在客や見込客の心理的段階に応じた的確な情報提供を実施することにより、生活者が自社の製品やサービスを自発的に選択するための知識と判断力を養い、コンバージョンを引き出す
  3. 利用者体験の向上: 生活者が製品やサービスを選択する前、選択し購入する時、また購入後の利用時、故障やトラブルに遭遇した時など、製品やサービスに関わるあらゆる場面に応じた有用な情報を幅広く提供することを通じて、生活者の体験をより豊かで実りあるものにする

検索者は多くの場合、何かしらの課題や問題を抱えて検索を実施します。それは知識の獲得であったり、生活や仕事の上での問題の明確化や解決であったりします。検索者が抱えるそれらの課題や問題に的確に応え、解決に導くコンテンツを発信することで、検索者とウェブサイトの信頼関係を構築します。

SEOはウェブ広告とは異なる性質を持っています。多くのウェブ広告は見込客を集め効果的に刈り取ることに特化した狩猟型のアプローチである一方で、SEOは、問題や課題を抱えているものの製品やサービスについてのニーズは顕在化していない潜在客を集め、情報提供を通じてそれらの潜在客を見込客へと育成する農耕型のアプローチです。

ウェブサイトの最適化

ここまで述べてきたようなコンテンツを中心としたマーケティング的な側面だけでなく、SEOには技術的な側面もあります。技術的な取り組みはコンテンツの制作に比べれば重要性や作業強度は低いものにとどまり、一度実施してしまえば日々繰り返し実施し続けるようなものではありませんが、決して無視できるものでもありません。

  1. 再利用性の高いデータの作成: セマンティクスを意識しコンテンツの構造に応じた的確なマークアップを実施することにより、検索エンジンをはじめ自社内外におけるコンテンツデータの再利用性・汎用性を高め、コンテンツ資産をより活用しやすくする
  2. 高いアクセシビリティの確保: クローラビリティとインデクサビリティを最適化し、検索エンジンによるクロールとインデックスをより確実で正確なものにすると同時に、様々な環境や条件の利用者に対するアクセシビリティを向上する
  3. 高いユーザビリティの確保: 検索結果からサイト内の下層ページに直接ランディングする利用者に対しても迷わせることなく、目的の情報を取得したり移動したり目的のタスクを実施したりできる高いユーザビリティを確保する

コンテンツの作成は外注に頼りにくい性質がありますが、ここで紹介した技術的側面については制作会社などへの外注が容易です。SEOの様々な施策のうち、外注することで品質を高められる可能性のある唯一のポイントが技術的な最適化であるため、どこかの時点で信頼のおける制作会社に依頼するのも悪くない選択肢となるでしょう。

オンライン資産の形成

SEOの効果は作成してストックされたコンテンツの質および量に比例して増大していきます。一つ一つのコンテンツは検索やソーシャルメディアや被リンクを通じて半永久的にトラフィックを呼び込み、受け取った一本一本の被リンクはサイト全体のランキングを押し上げます。これはオンラインにおける一種の資産形成です。

  1. オンライン資産の形成: 高品質なコンテンツを蓄積し、それによって得られるトラフィックや被リンクも同時に蓄積していくことにより、サイトの知名度や信頼性、ロイヤリティ、ブランド、利用者とのエンゲージメントといったオンライン資産を構築する

信頼性の高いコンテンツや、そのコンテンツが受け取った被リンクや、そのコンテンツを目的にRSSやメールマガジンを購読したりソーシャルメディアアカウントをフォローするユーザーは、オンラインでの企業活動における重要な無形資産です。この価値には永続性があり、投入した労力に応じて蓄積されていきます。

例えば広告のような集客手法の多くは、即効性には魅力はあるものの一過性で蓄積されず、より多くのトラフィックを獲得するためにはより多くの費用を投入しなければなりません。その一方でSEOの取り組みは、即効性では劣りますが永続性と貯蓄性があり、中長期的には効果は積み重なり蓄えられていきます。SEOの優位性、取り組むべき理由はここにあります。