SEOにおける顧客育成の根本はパーミションマーケティングです。潜在客に対してまずは知ってもらい、何度かの接触を通じて親近感や信頼感を抱いてもらい、最後には契約してもらう、というステップを、パーミション(受容)という概念を用いて説明したものがパーミションマーケティングであり、これからのマーケティング手法を考えていく中で必須の考え方と言えるでしょう。

結婚で考える最適なアプローチ手法

セス・ゴーディンによると、結婚するための方法には二通りあるのだそうです。一つ目の方法は、最適な服装をしつらえ、最適なシングル・バーに行き、そこで出会う人すべてに手当たり次第プロポーズしまくる、ということを、結婚できるまでひたすら続ける方法。

そしてもう一つは、出会いを大切にし、デートで楽しい時間を過ごし、次の約束をし、十回目くらいのデートでお互いの好みや希望について話し合い、二十回目くらいのデートでお互いの家族に会い、その後さらにデートを重ねてプロポーズし、結婚に至る方法です。

もちろん普通は後者を選ぶでしょう。誰だって、初めてあった人からプロポーズされたとしても、その人を信用することもなければ親しみを感じることもなく、当然プロポーズを受け入れることもありません。しかしマーケティングにおいては、前者のようなアプローチを多くの企業が選んでいます。

パーミション・マーケティング

パーミションマーケティング―ブランドからパーミションへセス・ゴーディンは、マーケティングもまた後者の、デートを重ねるようなアプローチでなされるべきだといい、そのアプローチのことを「パーミションマーケティング」と呼びました。僕はこの本を読むまで、パーミションマーケティングという言葉は知っていたものの、すっかりその本質を勘違いしていました。

僕はパーミションマーケティングのことを、ニュースレターを定期的に受信することを許可したメールアドレスを、懸賞などのインセンティブをちらつかせて収集し、アンケートから得たそのアドレスの持ち主の属性に合わせた広告を満載したニュースレターを送信しまくるような、データベースと連動したOne to One マーケティングであると勝手に理解していたのです。

そんなわけで、僕にも僕の顧客にもパーミションマーケティングは不要だと考えていたわけですが、セス・ゴーディンが提唱していた実際のそれは僕が思っていたものとはまったく違っていて、まさに冒頭の「デート」の例えがぴったりくるようなものでした。

パーミションマーケティングは、顧客が、はじめは見知らぬ者に過ぎなかった販売者に、まずは気付き、そして交流を経て親しみを持ち、そして購入し、さらには次の購入のオファーを受け入れるように、というような「信頼の段階」を少しずつ上げていく作業です。

確かに、僕自身のことを振り返ってみても、消費者としても事業者としても、パーミション(受容)のレベルが多くを左右しているように見えます。つまり、消費者としての僕は、道ばたで素性のわからない人から声をかけられても警戒するだけですが、アップルの新製品の情報は何となくチェックします。事業者としての僕もまた、知らない人からのオファーよりも、お互いによく知り合った顧客との取引を選びます。

知ってもらうことから順に最高のパーミションへ

パーミションマーケティングは、まず「知ってもらう」ことから始まります。事業者としての僕を例に考えれば、「まずは名前を知ってもらう」ということになるでしょう。そして繰り返し僕からの情報を受け取ってもらい、または様々な場所で僕との交流をもってもらい、その結果として僕への親近感や信頼感のようなものを持ってもらえた時点で、はじめて仕事の受注につながります。

そしてその後も交流を続け、お互いのことをよく知るようになると、パーミションは最高レベルに達し、顧客は僕からの提案を待ち望むようになります。このようなレベルにまで達するほど良好な関係を築けている顧客は数社だけですが、それだけでも食うに困るようなことはありません。たいへんありがたいことです。

そう考えていくと、パーミションのレベルを上げていく方法には様々なものがあるような気がしてきます。例えば、このブログの目的の一つに「僕を知ってもらう」というものがあります。まだ会ったこともない人からある程度の交流のある人まで、このブログを継続して見てもらうことができれば、僕のことをより知ってもらい、いくらかの親近感を持ってもらうことも可能なのではないか、という期待も生まれてきます。

さらに、場合によっては多少の信頼感も持ってもらえるかもしれません。こうしたことはブログを書く目的の一つに過ぎませんが、きっといくらかの足しになることでしょう。そのように、何をするにも「よりよい関係づくり」のようなことを考えながら行動するのは、仕事だけに限らず、面白い結果を生むのではないかと思います。

SEOについても同様です。SEOにおける顧客育成のプロセスは言い換えれば、パーミションを獲得していくプロセスです。ごく初期には単に知ってもらうところからはじめ、いずれ買ってもらい、最終的にはお得意様へとパーミションを拡げていくというわけです。この「パーミションマーケティング」おすすめの一冊です。