医療機関や会計事務所、法律事務所、設計事務所などのいわゆる士業や、デザイナー、プログラマー、ライター、コンサルタントといった専門職が提供するサービスには、購入する前には、その成果を見ることも触ることもできず、購入した結果を知ることもできないという性質があり、この性質がマーケティングを難しいものにしています。

見ることも触ることもできない商品

ウェブサイト制作やSEO、またはそれらについてのコンサルティングといった仕事は、依頼を受ける以前の段階では、その成果物を見ることも触ることもできず、それがもたらす効果を事前に具体的に示すこともできず、したがってクライアントには事前に何の保証もできないのが通例です。

このため、見ることも触ることもできる製品を製造したり販売したりする仕事に比べると、かなり特殊なマーケティング活動が必要になります。そして、そのような、見ることも触ることもできず、完成すらしていないものを売らなければならない仕事はたくさんあり、それらの人々は皆同じようなことで悩んでいます。

プロフェッショナルサービス(専門サービス)の難しさ

医療機関や会計事務所、法律事務所、設計事務所などのいわゆる士業や、デザイナー、プログラマー、ライター、コンサルタントといった専門職が提供するサービスは、購入する前には、その成果を見ることも触ることもできず、購入した結果を知ることもできません。こういったサービスを「プロフェッショナル・サービス」または「専門サービス」といいます。

  • 弁護士に依頼する前に裁判の結果を知ることはできない
  • ウェブ制作を依頼する前に完成したサイトの効果を明確に知ることはできない
  • デザイナーに依頼する前に成果物を目にする人たちの反応を見ることはできない

プロフェッショナルサービスが持つ無形性や変動性といった特性から、これらの業種のマーケティング活動は非常に困難です。例えば「差別化」はマーケティングにおいて必須のことですが、保証もなく、形も見えず、案件ごとに変化するようなサービスを差別化するのは困難を極めます。

マーケティングの強力なヒント

コトラーのプロフェッショナル・サービス・マーケティングコトラーのプロフェッショナル・サービス・マーケティング」は、そんな「プロフェッショナル・サービス」または「専門サービス」と呼ばれる職業のためのマーケティングの教科書です。

僕はこの本を自分の仕事のマーケティング活動のために購入したのですが、実際のところ多くのクライアントの役にも立っています。というのも、ウェブサイトの有用性は、「他では手に入らないモノやサービス」を販売しようとするときに発揮されるものですし、他では手に入らないモノやサービスは、購入するまで見ることも触れることもできないからです。

見ることも触れることもできず、購入するまで結果もわからないような無形のサービスは、製品の場合と違って他者と同一条件で比較することができませんから、差別化したり、優位性をアピールしたり、品質基準を設けたり、価格を設定したりするのは難しいものです。しかし、それらはどうしてもやらなければならないことでもあります。

そして、それらのことをすべて自分で考えるよりは、専門家から「どう考えるべきか」を学び、さらにヒントをもらった上で考えた方がよいのは間違いありません。そしてそれが自分のためだけでなく、クライアントのためにもなるのですから、僕はこの本から学んだことは大きかったと思っています。「コトラーのプロフェッショナル・サービス・マーケティング」おすすめです。