被リンクの構築を中心に考えるなら、SEOとは「釣り」や「煽り」のように、話題(ネタ)を提供し、ネット上でのコミュニケーションを誘発して被リンクを獲得するものであり、SEOの本質的スキルというのは、「話題や話題になるアイデアを提供し、煽るスキル」のようなものなのではないか、という考察です。

SEOに必要なスキルセットの変化

すでに誰もが知っているとおり、現在のSEOにおける至上命題は「被リンクの獲得」です。もちろん、インデクサビリティ(索引づけのしやすさ)を確保するための施策としてWeb標準技術に準拠したサイト制作を行ったり、狙ったターゲットにリーチするためにキーワードを工夫したり、といった施策は今も重要ですが、これらの施策は重要というよりはむしろ基本のようなものにすぎません。

現在のSEOでは、リンクを獲得する施策こそが重要なのであり、そのためのコンテンツ企画の能力やサイト運営能力などが問われます。リンクされやすいコンテンツを公開することによって大量の被リンクを集め、SEOキャンペーンを成功に導くために重要なことは、技術的なスキルよりもむしろ、マーケティングスキルやアイデア、そしてアイデアを実現する能力です。

閲覧者を巻き込み、話題を提供し、被リンクを得る

Web 2.0時代のSEOは「閲覧者を巻き込み、話題を提供し、被リンクを得ること」であり、これはベタな言い方をすれば「釣り」や「煽り」のようなものでしょう。人々が興味を持ち、釣られやすいネタを提供し、釣られた人々の間で賛成や反対などの議論を引き起こし、さらにそれを煽り、結果として大量の被リンクを獲得する、というものです。

この手法は、すでにアルファブロガーなどと呼ばれる人々によって実行されており、単なるトラフィック誘導や被リンクの獲得だけにとどまらない成果(例えば梅田さんの「ウェブ進化論」のベストセラー化など)を上げる例もあります。「ネタ」とか「釣り」とか「煽り」とかいう言い方が適切でないなら、「Buzzマーケティング」や「クチコミ・マーケティング」と読み替えてもよいでしょう。

双方向のコミュニケーション

いずれにしても、Tim O’Reillyが「What is Web 2.0」の中でSEOを2.0の側に分類したのは、僕がここまで書いてきたような「釣り」や「煽り」といった双方向のコミュニケーションこそが現在のSEOの要点であることを示しているのだと思います。以下に、O’ReillyによるWeb 2.0と1.0の分類表を転載します。

Web 1.0   Web 2.0
DoubleClick –> Google AdSense
Ofoto –> Flickr
Akamai –> BitTorrent
mp3.com –> Napster
Britannica Online –> Wikipedia
personal websites –> blogging
evite –> upcoming.org and EVDB
domain name speculation –> search engine optimization
page views –> cost per click
screen scraping –> web services
publishing –> participation
content management systems –> wikis
directories (taxonomy) –> tagging (“folksonomy”)
stickiness –> syndication

釣りと煽りによる被リンク構築

従来からのチマチマした小手先のSEOテクニックを「SEO 1.0」とするなら、釣りと煽りによって広範囲から被リンクを獲得するSEOはさしずめ「SEO 2.0」といったところでしょうか。

1.0 と2.0の違いは、施策を行う際のターゲットであり、1.0では検索エンジンをターゲットに、検索エンジンのアルゴリズムに対して最適化されたドキュメントやサイトの制作を行いました。しかし、検索エンジンのアルゴリズムの進化によって、1.0的なSEOはその効果を急速に失っていっているのが現状です。

そしてSEO 2.0では、ウェブ上のニュースサイトやブロガーなどの「ウェブ上での情報発信者」をターゲットに、彼らが釣れそうなネタを投下することで彼らの情報発信を煽り、被リンクを獲得します。これが結果として、検索エンジンに評価される、というわけです。1.0 とか 2.0 とか、言ってるだけでも少々恥ずかしいですが、僕が考えているのはこんなところです。