SEOがターゲットとするユーザーは検索結果からやってくるユーザーであり、つまりは検索者・情報探索者です。こうしたユーザーの特性を知ることが、SEOの第一歩となります。

検索結果からの訪問者の特徴

私たちが調べものやネット上での探し物をする際には、ほとんど必ず検索エンジンを利用します。初めて訪問するサイトへの入り口としての検索エンジンの役割は大きく、検索結果にサイトが表示されることは重要なことです。しかし、検索結果からの訪問者には独特の特徴があるため注意が必要です。

検索エンジンから訪問してくるユーザーの特徴
  • 情報を探している
  • サイトの奥深い階層に直接ランディングする
  • そのサイトに慣れていない

検索エンジンからの来訪者のほとんどは、サイト内の奥深い階層に置かれたページに直接アクセスしてくることが多いだけでなく、それらのユーザーのほとんどは初来訪で、そのサイトの使い勝手に習熟したユーザーではありません。

不慣れなユーザーがトップページではなくサイトの内の奥深い階層に置かれたページにアクセスしてくるのですから、これらのユーザーに対する高いユーザビリティを確保する必要があります。トップページからのアクセスではなく、かつそれが初回の訪問であることを想定して、高いレベルのユーザービリティを確保することで、SEOはより大きな成果をもたらします。

検索の目的からみた検索者

検索の目的から大別すると、ユーザーの検索には次の4種類の要求(クエリ)があります。

1. インフォメーショナル検索クエリ(Informational queries)
情報探索のための検索。検索対象は幅広く、適切な検索結果も検索者によって異なる。 例: 「自転車 + パンク修理 + 方法」「スルメイカ + パスタ + レシピ」
2. ナビゲーショナル検索クエリ(Navigational queries)
特定のサイトやコンテンツに移動するための検索。 例: 「2ちゃんねる」「YouTube」「NHK」
3. トランザクショナル検索クエリ(Transactional queries)
購入やダウンロードなどのような、決済や取引などを実行する意図のもとに行う検索。 例: 「楽天 + 空気清浄機 + セール」「アップルストア + MacBook」
4. コネクティビティ検索クエリ(Connectivity queries)
サイトとの接続性を確認するための検索。主にサイト管理者が行う。 例: 「site:www.mydomain.com」「link:www.mydomain.com」 (詳しくは特殊な検索式とコネクティビティクエリを参照)

以上のクエリを持った検索者のうち、SEOが対象とするのは主に「1. インフォメーショナル検索クエリ」を用いる検索者です。この検索者は検索結果からの訪問者の特徴をそのまま備えています。

情報探索行動からみた検索者

認知科学の立場で「情報」とは、受け手の知識に変化を与えるもののことをいうそうです。人は情報によって知識を変化させ、その変化した知識を使うことによって、様々な判断をしたり、他者と社交や交渉などのコミュニケーションをとったり、仕事をしたりします。そうした情報を探索する行動様式には次の3種類があります。

1. 情報問題解決
目的があって情報を探す行動。検索エンジンを使ったインフォメーショナル検索などはその典型
2. 環境モニタリング
無意識に情報を取捨選択する行動。新聞や雑誌やテレビなどの情報を眺めながら取捨選択したり、インターネット上ではRSSリーダーやソーシャルブックマークの利用などもこの一環と考えられる
3. 情報との遭遇
特に意識して探していたわけではないのに役立つ情報に偶然出会うこと。インターネット上ではSNSやTwitterなどのソーシャルネットワーキングサービスの利用中に起きることが多い

SEOとは上記で言えば「1. 情報問題解決」を意図する情報探索者を対象とした取り組みが中心となるものですが、各種ソーシャルメディアの普及によって、インターネット上でも「2. 環境モニタリング」を行っている情報探索者にアプローチしたり、「3. 情報との遭遇」を演出することも可能になってきました。

情報を探索しているユーザーにアプローチするという意味では、ユーザーの情報探索の様式に関わらず情報提供できる体制を整えておくことは有意義です。なお情報探索行動の様式について詳しくは「情報検索のスキル—未知の問題をどう解くか(三輪真木子 著)」を参照してください。