有益なコンテンツは、SEOだけでなくウェブマーケティング全体にとって不可欠なものです。この記事では、有益なコンテンツについて、その必要性や定義、作成していくための手順や注意点などについて解説していきます。

なぜ必要なのか

SEOには有益なコンテンツが欠かせないとはよく言われることです。その役割について理解すれば、その重要性もまた深く理解することができるでしょう。有益なコンテンツには、主に次のような役割があります。

  • 継続的に検索トラフィックを呼び込み続ける
  • 継続的にソーシャルメディアからのトラフィックを呼び込み続ける
  • 継続的に被リンクを呼び込み続ける
  • 価値に永続性があり蓄積されていく
  • 情報発信者の知識や能力を示し信頼性を高める
  • 知識の提供を通じて潜在客を見込客へ育成する
  • 事前に十分な知識を得た上て利用客となってもらうことで、製品やサービスに対する満足度や利用経験価値を高め、利用客から顧客への進化を促進する

有益なコンテンツを作成することは、単にSEOの根幹となるだけでなく、サイトへのトラフィック流入を全方位的に加速させ、運営企業の能力をアピールし、利用者とのエンゲージメントを醸成するという重要な役割を担っています。

上述のような役割は、自社の製品やサービスについての自画自賛だけを掲載したページでは実現不可能なものです。この記事では、上述のような役割を十分に果たせる有益なコンテンツを作っていくための考え方と作り方を示します。

検索者を主体に考える

その情報が有益かそうでないかを判断する主体は、常に情報の受け手の側にあります。情報とは受け手の知識を変化させるものと定義されるからです。SEOについて言えば、有益かどうかを判断する主体を持つ情報の受け手とはつまり検索者です。

検索者は何らかの課題や問題を抱えており、それを解決するために検索しています。単に何かを知りたいというような小さな課題のこともあれば、もう少し複雑な問題を解決するための情報を求めている場合もあるでしょう。

または、検索による知識形成を通じて、漠然とした疑問からより具体的な問題へと、検索者の現状認識や課題認識を深めている課程にあるかもしれません。

こうした検索者を情報面から後押しすするのがコンテンツの役割です。つまり有益なコンテンツとは、検索者の課題解決または問題解決の助けになる情報を含むコンテンツであると言い換えることができます。ただしこれだけの認識ではまだ足りません。

有益なコンテンツではないもの

ほとんどの企業が扱っている製品やサービスは、何らかの形で利用者の問題を解決するという側面を持っています。このため、問題解決型コンテンツというと、自社の製品やサービスをおすすめするメッセージを中心に考える人が多くいます。

しかしこれは誤りです。自分が検索者となって問題解決のための知識を探索しているようなときを振り返れば明らかなことですが、そうしたときに出会う売り込みのメッセージには次のような問題点があり、多くは適切でないからです。

  • 問題解決への道筋が見える前の段階では、製品やサービスの価値を正当に評価できない
  • その段階での露出は単なる売り込みに見える
  • あれもできます、これもできます、といった自画自賛を見せられても、検索者自身の問題解決のための知識形成に寄与しない

つまり非常にざっくりとした定義を示すのであれば、有益なコンテンツとそうでないコンテンツとは、次のようになるでしょう。

有益なコンテンツ
検索者の課題または問題を解決するための助けになる情報を含むコンテンツ
有益でないコンテンツ
自社で取り扱っている製品やサービスの過度な売り込みを含んでいる、または売り込みが主目的となっているコンテンツ

解決すべき問題の種類

検索者が何か未知の知識について調べ物をしているだけ、といった単純な場合には、その知識を説明する情報を提示するだけで、ある程度は有益といえるコンテンツを作ることができます。

しかし解決すべき課題や問題がもう少し複雑なものである場合には、単に知識を提供するだけでは不足です。こうした場合には、人や企業が抱える課題や問題の類型を理解しておくことが、問題解決のために必要としている情報を特定する助けになります。

時間に関するもの
手間や時間を節約したい、効率化したい
お金に関するもの
出費を抑えたい、より多く利益を出したい
人間関係に関するもの
人間関係を円満にしたい、モテたい、評価されたい
成長や学習に関するもの
スキルを手に入れたい、自力でやり遂げたい
健康に関するもの
人体や組織を健全に保ち体力をつけたい

検索者が抱えている課題や問題の多くは、およそ上記のようなものかその組み合わせで構成されています。これをふまえ次のステップでは、検索者が具体的にどのような課題や問題を抱えているのかを抽出します。

問題解決の助けになる情報の抽出

自社が保持しているノウハウの中から有益なコンテンツの素材となるものを抽出していく課程では、仮想の検索者の質問に答える形で取り組むのが効率的です。まずは、自社の取り扱い分野に関連して検索者が抱きそうな疑問を以下のようにピックアップします。

  • (未知の知識)とは何ですか?
  • (状況)の原因は何ですか?
  • (状況)の何が問題なのですか?
  • (問題)を解決する方法はどんなものですか?
  • (解決)に必要な知識・技術・道具は何ですか?
  • (解決)の確実な手順・楽な手順はどのようなものですか?
  • (解決)のコツや注意点はどのようなものですか?

ここで注意すべき点は、すべて検索者が自分の力で解決することを前提として考えるということです。このことは、実際にコンテンツを作成していくときも変わりません。このような形を採る理由は次のようなものです。

  • 検索者の動機や意欲を尊重し、純粋にそれを助けることに注力することで、真に自分のために情報発信してくれていると検索者に感じてもらう
  • それによってエンゲージメントを醸成し、同時にソーシャルメディアへの共有などのアクションを期待する

上記の情報提供において検索者に満足を与えることができていたならば、もし結果として検索者が問題を独力で解決できず、なにか製品やサービスの力を借りることを決断した場合に、自社の製品やサービスが選ばれる可能性は高いでしょう。

そうして検索者が購入者となった場合、すでに問題解決に必要な十分な知識を取得しているため、製品やサービスの利用はより効果的なものとなり、高い満足度が生まれます。こうした利用者の良好な体験は、利用者が顧客へと変化するために必要なものです。

コンテンツの作成

実際にコンテンツの作成に取り組む場合にも、一定の手順を踏むことで作業を容易にすることができます。前段でピックアップした検索者の疑問を骨組みとし、次のような情報で肉付けしていくことで、有益なコンテンツは完成します。

  • 現状分析のための着眼点や基礎知識を示す
  • 解決に至るための考え方を示す
  • 実行手順と、そのために必要な技術や道具を示す
  • 確実性を増すためのコツや注意点を示す

上記をわかりやすく丁寧に文章化すれば、それは検索者にとっての有益なコンテンツとなります。さらに図版や動画などを併用したり、ページ内のどこかに自社の製品やサービスへの動線をさりげなく提供したりすれば、あらゆる意味で価値の高いコンテンツになるでしょう。

なおコンテンツの作成においては、一切の手抜きは許されません。情報発信者がいかにそのテーマについて博識を誇り強力なスキルを保持していたとしても、情報の受け手からすれば、発信された情報からしかそれらを判断することはできないからです。

問題点

ここまで示してきた手順は非常に使いやすい基本的なものですが、しかしそれでも実施する企業によってはいくつかの問題が残る場合があります。それらの解決策について以下に示します。

自社のノウハウは無料では提供できない
それは既存のルールです。ウェブ上においては、たいていの情報は他の誰かが出してしまうものです。それが御社であるほうがいいか、競合他社でであるほうがいいか、というだけの問題です。新しいルールで運用しましょう
コンテンツ制作の担当者が知識不足で不安
自社製品やサービス、および顧客に関する知識や経験が十分にあり、信頼に足る情報を出すことができる人物が担当すべきです。例えば中小企業なら、経営陣の一人が担当するのが見識の点から当然です
見識の点での適任者は文章や図版の作成が下手
ウェブのコンテンツは公開後でもいくらでも修正が可能です。また、文章や図版の品質は上を見たらきりがありません。ある程度の品質が確保できたら公開し、適宜修正するというスタイルでいいでしょう

何にもまして重大な問題は、御社がどんなに素晴らしい知識や技能を有していたとしても、情報を発信しない限りそれは誰にも伝わらないということです。この意味で、他に多少の問題があったとしても、とにかく情報発信は実施していく必要があります。

終わりに

ウェブサイトのコンテンツは、検索を通じて検索者の質問に答えるものです。これは言い換えれば、自動の提案営業、コンサル営業だということです。しかしそうした機能をサイトに持たせるためには、提案部分に相当するコンテンツが不可欠です。

そしてコンテンツの作成は、とりわけそれが有益で高品質なものであることを強く指向する場合には、一朝一夕には実現できない手間のかかるものです。しかし、どこかの時点で始めなければ、永遠に実現できるときが来ないものでもあります。

一朝一夕に実現できないのは他社にとっても同様です。先んじて取り組み、継続していくことで、他社が追いつくことのできない高みに上り詰めていくことができます。あまり多くの企業が積極的でない今は、まさに圧倒的な差をつける好機です。

一般的に、インターネット利用の主目的は有益なコンテンツを閲覧することです。つまり最も強くウェブサイトに人を呼ぶ力があるのは有益なコンテンツです。有益なコンテンツなしにウェブマーケティングはあり得ないということに留意し、一歩ずつ歩を進めていくことが肝要です。