リンクベイティングとは、被リンクの獲得を目的として、リンケラティを釣り上げるためのフックを仕込んだコンテンツを作成することをいいます。慎重に実施する必要があり、継続性やモラルも問われますが、極めて強力な被リンク獲得の方法です。

リンクベイト、リンクベイティングとは

リンケラティ(影響力のあるブロガーやソーシャルメディアのユーザー)に狙いを定め、彼らの興味を引き、反応を引き出すことで被リンクを構築する施策をリンクベイティングといいます。また、リンクベイティングのために作成するコンテンツのことをリンクベイトと呼びます。

被リンクの構築、ことにトピックに関連性のある被リンクは、SEOにとって極めて重要なものです。しかし、淡々とコンテンツをアップロードしていくだけで、そうした関連性の高い被リンクを構築するのは困難です。なぜなら、顧客や取引先とリンケラティは必ずしも一致しないという問題があるからです。

こうした理由から、リンケラティをターゲットにし、被リンクを獲得することだけを目的としたコンテンツの作成は、それ自体が一つの戦術として成立しています。

炎上の危険とモラルの問題

リンクベイティングは、リンケラティの興味を引きつけるものであるだけでなく、場合によってはリンケラティを怒らせることによってオンラインでの反応を引き出すようなテクニックも含んでいるために、時には炎上の危険をともないますので、実施には注意が必要です。

また、ネガティブな釣りではなく、適度に発表すれば役に立つまとめ記事のようなものだったとしても、度を越して連発すると、読者の反感を買ったり飽きられたりする可能性があり、このあたりにも注意が必要です。

リンクベイティングの種類

以下に、リンクベイティングの6種類の例を示します。

1. まとめ記事を使ったリンクベイト

何かしら人々の役に立ちそうな情報を、有益そうに見える「まとめ記事」の体裁で発表し、とりあえずソーシャルブックマークに追加する、とりあえず人に教える、といった反応を引き出すテクニックです。

「X に関する n 個の情報まとめ」
特定分野に関する包括的な情報をまとめたコンテンツを作成し、その分野に興味のある人々の関心を引きつけます。nの数字が大きければ大きいほど、メモ的な意味でのソーシャルブックマークへの追加を獲得しやすくなります。
「X に関する n 個の効果的な方法」
特定分野に関する How to や Know How のリストを作成し、その分野に興味のある人々の関心を引きつけます。1つ1つの情報にインパクトが小さくても、数を集めることによってインパクトをつけることが可能になります。
「X を Y できる便利ツール n 種類」
特定分野の作業に関係するツールを集めたリストを作成し、関心を引きます。これも数の勝負です。

2. ニュースを使ったリンクベイト

新鮮かつ話題になりやすそうな情報を餌にして、ニュースソースとして参照されることを狙うテクニックです。週刊誌などによく見られる手法で、タイトルの巧拙で反響に大きな影響が出ます。

「速報! X が Y の発表を計画中」
本物のスクープを提供するもので、ニュースソースとして参照されることを狙います。内容は大したことはなくても、タイトルの付け方をセンセーショナルになるように工夫することで、脊髄反射的な参照やブックマークが得られます。
「X 社の Y 報道について思う」
元のソース以上に釣りとしての味付けを加えてニュースを伝えます。自分が1次情報源でなくても、他から引用したソースを使ってリンクベイトに仕立て、話題を煽ることが可能です。
「スクープ! X 事件の Y は Z だった」
誰かの正体を暴くことや詐欺の全容を解明することで、話題を集めます。内容がネガティブなものほど話題になりやすい傾向があるとともに、内容よりもタイトルの巧拙が重要です。印象をうまく誘導すれば話題になりやすくなります。

3. 反対表明や攻撃によるリンクベイト

ポピュラーな製品や有名ブロガーに対して、強力な証拠や理由によって反対表明や攻撃を行い、論争の種を撒くテクニックです。成功すると効果は大きいものの、失敗したときのリスクが大きいために、実行には注意を要します。

「X の発言は Y の点で間違っている」
有名人や有名ブロガーなどの特定個人に対して反論や反対表明をすることで、当人の反応と周囲の議論を巻き起こします。相手が有名であればあるほど、取り巻きが多ければ多いほど、効果が上がります。
「X たちが Y するのは不快」
特定の集団に対する不快感や反対意見を表明することによって、論争を引き起こすテクニックです。対象となる集団は帰属意識が高ければ高いほど強い反響が得られ、集団に属する人が多ければ多いほど幅広い反響が得られます。
「X は Y と言っているが実は Z」
特定の個人や集団に対する反証を上げて攻撃することで論争を引き起こします。対象の知名度や集団に属する人々の数などに応じて、大きな反響を得ることが可能になります。

4. ユーモアによるリンクベイト

おかしな話やジョーク、変な画像、動画などをフックにして、愉快な話題を振りまくテクニックです。特に海外のものが受けやすいようです。ただし自分のサイトのテーマと関係のある材料だけを集めるのは難しいという問題点があります。

「衝撃!まるで X のような Y 画像」
flickr などで見つけてきた面白い画像をフックに、センセーショナルなタイトルをつけて紹介します。diggやdeliciousに定期的に上がってくる海外のネタを使えば手間も時間もかかりません。
「X が Y する決定的瞬間」
YouTube などで見つけてきた面白い動画をフックにします。細かな方法は上と同様です。
「X と Y の見分け方
定番のジョーク(英語における “You know you’re a 〜 when 〜” みたいなもの)を使って小咄を作り、フックにします。2ちゃんねるからコピペすれば手間も時間もかかりません。

5. 煽りによるリンクベイト

常識や固定観念を覆すような事実を何らかの証拠とともに掲出し、危機感を煽る形で話題を振りまく方法です。週刊誌やワイドショーの定番なので、交通広告やテレビ欄を参考にするとアイデアが拡がります。

「あなたが考えているほど X は Yではない」
女性週刊誌や午後のワイドショーによくありそうな煽りを使ったリンクベイトです。他に次のようなものも考えられます。
  • 「勘違いするな! X は Y ではない」
  • 「X は本当に Yか?」
  • 「X も絶賛、今流行の Y の秘密に迫る」
「X な人が陥りがちな Y の落とし穴」
男性誌にありがちな煽りを使うものです。賢そうに振る舞っている人をドキッとさせるようなものがいいでしょう。
「知らないと損する! X に関する n 個の知識」
相手の無知に対する危機感を煽る方法で、テレビの情報バラエティー番組の定番です。テレビ欄が参考になります。

6. レビューによるリンクベイト

新しい製品やサービス、なかでも流行の製品やサービスや場所について、面白おかしく(時には批判的に)レビューする方法です。狙っているセグメント内で流行しているものを利用すれば効果はより高まります。

「 X の新製品 Y のここが凄い」
話題の製品について、変化をつけた視点からレビューし、リンクベイトにします。
「あの新名所 X に行ってきました」
話題の場所やサービスの流行に便乗することで、単なるレビューであってもリンクベイトとして機能することはよくあります。
「話題の X に潜む危険すぎる Y 」
話題の製品やサービスについての批判的な側面からのレビューを書くことで、その製品やサービスの信奉者を釣り上げます。

リンクベイティングの実施

次に、強力にリンクを集めるコンテンツを作り出す手順について解説します。

1. ターゲットユーザーを決定する

リンクベイティングの大きな目的の一つは、良質で自然なリンク(サイトのトピックに関連するページからのリンクやそれに興味を持つ人物による共有)を大量に集めることにあります。このため、リンクベイティングのターゲットは次のようなものとなります。これらの人々に特化したリンクベイトを作り出すことで、リンクベイティングは巨大な力を発揮します。

  • 自分の運営するサイトやブログと関連したテーマのサイトやブログを運営している人(良質のリンクは同じテーマの他サイトからもたらされるため)
  • 自分の運営するサイトやブログと関連したテーマに関心を持っているソーシャルメディアのユーザー(ソーシャルメディアにおける伝播は個々のユーザーからもたらされる)
  • 自分の運営するサイトやブログと関連したテーマにおける有名人やアルファブロガー(こういう人が釣られると話題は爆発的に広まる)

2. ベイトにするトピックを決定する

上で選定したターゲットが釣られやすい餌はどのようなものか、ということを考えます。ここで面白そうなアイデアが生まれれば、リンクベイティングはほとんど成功したも同然です。その内容は以下のようなものです。

  • 彼らの属性から、彼らが喜びそうな、リンクせずにはいられなくなるようなネタとはどのようなものかを考える(ターゲットの属性がはっきりしていれば、エサの種類もはっきりするはずです)
  • リンクベイティングの種類を参考に、ネタとタイトルを同時に考える(ネタとタイトルは同時に考えた方が効果的です)

3. 強力なリンクベイト記事を作成する

ターゲットと話題が決まったら、あとはそれに関する情報をかき集め、それをどう効果的に構成するか、どう効果的に煽るか、ということを考えます。

  • Web検索や各種のソーシャルメディアを使って、ベイトになる話題に関する情報を収集します。場合によっては flickrYouTube なども使えます
  • 記事の切り口(論調)は、「それを見た人がリンク(共有)せずにはいられなくなる」ようにします。極端に言えば、切り口が偏っていればいるほど議論になりやすく、特定の人物や企業を貶めるような論調ほど大衆に受け入れられやすくなります
  • ターゲットの属性を念頭に置いて、いかに感情や興味や欲求を煽るか、いかにターゲットの心を動かすか、ということを意識して記事の展開を構成します

リンクベイティングの使いどころ

リンクベイティングは、視聴率至上主義のバラエティー番組や、見出し勝負で売上が決まる夕刊紙やスポーツ紙などの手法をインターネット向けに応用したものですので、どうしても低俗さや下品さ、安っぽさがつきまとうばかりか、大衆を馬鹿にするような高慢さも感じます。度重なるとあまりいい印象は持たれません。

しかし一方で、リンクベイティングの効果は無視できないほど大きいものでもあります。ここぞというタイミングで、しかも伝えたい内容がきちんとある場合に限るなど、少し厳しいルールのものとに運用するのであれば、長期的な使用も可能になるでしょう。