文章で重要なのは中身であることは確かですが、体裁もまた重要です。ウェブ上で公開されている文章は作法を無視して書かれていることが多いため、ほんの少しの手間を加えるだけで、ずっとよくなる可能性を秘めています。この記事では、すでに書かれたコンテンツの体裁を整え、より読みやすく、理解しやすいものへとブラッシュアップしていく方法について説明します。

読むと得することをタイトルとリード文に書く

記事を読んでもらうということは、読者の時間を使ってもらうということでもあります。読者の時間を使わせていただく以上、記事では読者に使ってもらった時間に見合う価値を届けなければなりません。読んだ時間は無駄だったと読者に思わせてしまっては、せっかくの記事が台無しです。

僕たちはよく記事のことを「コンテンツ」と呼びますが、このコンテンツとは「教養または娯楽に属する著作物であって、受け手の文脈に応じた価値のある情報や体験を提供するもの」と定義されます。コンテンツを通じて読者に伝えるべき価値とは、教養と娯楽のことであって、宣伝や売り込みのことではないということに注意してください。

記事の理想は「楽しくてためになる」です。両方とも満たすのは難しいかもしれません。その場合は「ためになる」だけを考えてください。その記事は読者にとってどんな「ためになること」を提供しているのでしょうか。それを簡潔に、わかりやすく、読者にアピールしましょう。そのために、次のことを必ずしてください。

  • 得することを具体的な単語にしてタイトルに含めてください
  • どう得するのかを記事の冒頭で簡潔に説明してください(リード文)

記事にアクセスしてくる前の読者はまず、検索結果やソーシャルメディア上で表示されたタイトルとリード文を読み、リンクをクリックして記事にアクセスするかどうかを判断します。読者がこれらだけを見て、記事の要旨を理解し、得られるメリットが想像できるくらいが理想です。例えば次のような形です。

タイトル
コンテンツで集客し信頼を獲得する
リード文
SEOやソーシャルメディアを使った集客を考えるとき、コンテンツは必要不可欠なものである。この記事では、集客におけるコンテンツの役割から、作るべきコンテンツのテーマ設定、そしてコンテンツを作ることによって書き手が得られる信頼について述べていきます。

また、連番のタイトルや連続した内容にも注意してください。例えば「オートバイのパンクを修理する方法:その1」のようなタイトルで、その記事を読んでもタイヤの外し方までしか書かれておらず、パンク修理の方法に内容が到達するのは来月、のような肩すかし記事は読むほうにとっては非常に残念です。

それならばはじめから「オートバイのタイヤの外し方」というタイトルで記事にしておくか、または、パンク修理の方法をすべて書き終わってから公開すべきです。期待したメリットが得られない不完全な状態で記事を公開しても、読者も書き手も得することは何もありません。

必要でない話題を削除する

エッセイや日記、手紙のような個人的なものなら、時候の挨拶やちょっとした近況報告などがあっても不自然ではありません。しかし前項で述べたような「読むと得をする」記事を書く場合には、その主題にフォーカスし、主題から外れるものは省いてしまって構いません。例えば次の例のような文章です。

こんにちは。すっかり久しぶりの更新となってしまいました。朝晩の冷え込みが厳しくなり、冬が近づいてきたことを強く感じるようになりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。僕はといえば、すっかりオートバイに乗るのも億劫になってきて、ますます出不精になってきてしまっています。さて今日の話題ですが(略)

こうした文章は、ごく少数の決まった読者に向けて書く文章にならあってよいですが、主題を持ち、より多くの人に読んでもらおうとする文章からは、削除してしまったほうがよいでしょう。冒頭から主題と無関係なことを書けば、主題がぼやけてしまうためです。

  1. 記事で伝えたいことの中心は何か
  2. それを過不足なく、わかりやすく説明できているか

記事を書くときに注力するのは上記2点であり、それ以外のものは不要です。これを徹底するために簡単にできることは、必要でない話題をバッサリ削除してしまうことです。

改行と段落を適切に使う

ポエムを書いているのなら別ですが、そうでなければ改行はみだりに使わないようにしましょう。意味のない改行は文章展開の理解を妨げ、文章を読みにくくわかりにくいものにしてしまいます。改行には意味があり、適切に使わなくてはなりません。画面上で改行として表示されるものには、次の2種類があります。

段落(パラグラフ)
複数の文で構成され、一つの話題のまとまりであることを示す単位。述べている対象や論点(何について述べているか)を変えるときに段落を改め、話題の展開を理解しやすくする。段落と段落の間には通常、一行分の間隔が表示される。ブログ投稿画面ではリターンキー(エンターキー)で挿入される
改行(ラインブレイク)
内容や話題とは関係のない単なる改行。改行を挿入したところで文が折り返され、空行は作られない。ブログ投稿画面ではシフトキー + リターンキー(エンターキー)で挿入される

記事の書き方の基本は段落を組み合わせて全体を展開していくことです。これについては記事「パラグラフライティングとトピックセンテンス」で詳しく述べているのでご覧ください。また「段落の作り方」にも有用な情報があります。

ここでは例を挙げて説明してみましょう。まずは改行が不適切な例です。一読して意味を正確に理解できるでしょうか。

検索エンジンやソーシャルメディアから

サイトに読者を集めるためには、

コンテンツ

(読者に娯楽か教養を提供するもの)

が必要だ。

コンテンツがあれば、

読者はそれを読むという理由でサイトを訪問してくれるが、

コンテンツがなければ、
読者がそのサイトにアクセスする理由はない。

娯楽や教養を提供するコンテンツがないのに

人を集めようとする場合、

広告またはスパム

を使用することになる。

多くのサイトはコンテンツを持たず、

売り込みと自慢

で埋め尽くされている。

そんなサイトに

自分の意思で好んで訪問する読者はいない。

有効な集客手法は、

有料の広告

に限られてしまう。

広告はうまく使えば有用だが、

制限もある。

有料であるために、

積極的に集客してよいのは顕在化したニーズを持った見込客、

つまり即時に売上げにつながりそうな人々

だけに限られてしまうことだ。

ニーズがいまだ顕在化していない潜在客の訪問は、

集客を広告だけに頼るのであれば

諦める

ほかない。

ウェブ上ではこの種のポエムまがいの文章をよく見かけますが、このような文章を正確に理解するためにはかなりの集中力が必要です。改行が不適切であるために、文章と文章のつながりや、話題のまとまりが不明確になるからです。

では、下の例でどうでしょうか。文字の部分は上の文とまったく同じで、改行の位置だけを変えたものです。

検索エンジンやソーシャルメディアからサイトに読者を集めるためには、コンテンツ(読者に娯楽か教養を提供するもの)が必要だ。コンテンツがあれば、読者はそれを読むという理由でサイトを訪問してくれるが、コンテンツがなければ、読者がそのサイトにアクセスする理由はない。

娯楽や教養を提供するコンテンツがないのに人を集めようとする場合、広告またはスパムを使用することになる。多くのサイトはコンテンツを持たず、売り込みと自慢で埋め尽くされている。そんなサイトに自分の意思で好んで訪問する読者はいない。有効な集客手法は、有料の広告に限られてしまう。

広告はうまく使えば有用だが、制限もある。有料であるために、積極的に集客してよいのは顕在化したニーズを持った見込客、つまり即時に売上げにつながりそうな人々だけに限られてしまうことだ。ニーズがいまだ顕在化していない潜在客の訪問は、集客を広告だけに頼るのであれば諦めるほかない。

文字の部分はまったく同じですが、先の例よりもこの例のほうが、ずっと読みやすく理解しやすいはずです。後者の例では、段落の構成を次のようにしました。

一段落目
コンテンツの必要性についての話題
二段落目
コンテンツなしで集客することについての話題
三段落目
広告を使った集客についての話題

話題のまとまりごとに段落を設け、次の話題に進むときに段落を分けます。それ以外には余計な改行はしていません。そして、段落を組み合わせて全体の話題を展開していきます。このように意味のある改行は、読者に内容を正確に理解してもらうために重要な役割をもっています。

改行の位置がどこにあったとしても、書き手であるあなたは、自分の文章の話題を見失ったり展開を追えなくなったりはしません。しかし書き手と読み手は違います。常に読み手の立場で、読み手にとって内容を理解しやすいかどうかをよく考えて、意味のある改行(段落構成)を心がけてください。

過剰に文字を装飾したり、無意味な画像を使わない

同じ大きさで同じ色の文字ばかりで綴られた記事は、見た目にも変化が乏しく、退屈な印象になってしまいがちです。だからといって、みだりに文字の大きさや色を変えることはおすすめできません。同様に、本文と関係のない画像を使うこともおすすめできません。ここでも例をご覧にいれましょう。

サイトにコンテンツを追加することは、読者を呼び寄せるということ以外にも重要な役割を持つ。それは顧客育成である。継続的にコンテンツを追加することで読者の再訪を促進し、反復効果によって親しみや信頼を醸成する。G4 Ti HDDこのプロセスを経て、潜在客を見込客へ、見込客を利用客へ、利用客を顧客へ、顧客を得意客へとステップアップさせていくのである。

とりわけ潜在客を見込客へと育てるステップは、他の手法では実現が困難であり、記事を通じた顧客育成は重要である即時に売上げにつながらない潜在客を集めるために有料トラフィックを使うことは、費用対効果の面から難しいためである。潜在客の集客は、検索エンジンやソーシャルメディアのような無料のトラフィックを使いたい

装飾された文字や挿入された画像は、その部分に読者の注意を惹きつける効果があります。本文中のごく一部分にだけ使うのであれば、その部分を強調し、強く印象づける効果が期待できます。しかし過剰になれば読者の集中力は分散し、かえって内容を理解しにくくなってしまいます。

上に示した例は極端なもので、実際にはここまでひどい装飾をすることはないでしょう。しかし、記事を書いているときに文字の装飾や強調をしたくなったら、それによって少しだけ上の例に近づいたのだということを思い出してください。下は、まったく同じ文章を最小限だけ強調したものです。

サイトにコンテンツを追加することは、読者を呼び寄せるということ以外にも重要な役割を持つ。それは顧客育成である。継続的にコンテンツを追加することで読者の再訪を促進し、反復効果によって親しみや信頼を醸成する。このプロセスを経て、潜在客を見込客へ、見込客を利用客へ、利用客を顧客へ、顧客を得意客へとステップアップさせていくのである。

とりわけ潜在客を見込客へと育てるステップは、他の手法では実現が困難であり、記事を通じた顧客育成は重要である。即時に売上げにつながらない潜在客を集めるために有料トラフィックを使うことは、費用対効果の面から難しいためである。潜在客の集客は、検索エンジンやソーシャルメディアのような無料のトラフィックを使いたい。

先の例に比べると内容は同じでも、この例のほうがはるかに読みやすく、理解しやすく、美しく、そして知性的に見えるはずです。通常、読者に理解してもらうことを意図して書かれた文章は、新聞であれ書籍であれ、本文中で文字装飾はしないものです。修飾を最小にすることで、理解を助けることを意図しているからです。

とはいえまったく変化のない文章というのも読みにくいものです。そこで、文章に変化をつけるおすすめの方法は、見出しを使うことです。僕が書いているこの記事では、このすぐ下に出てくるものが見出しです(見出しについては後述します)。

接続詞の多用を避ける

「それで」や「でも」や「そしたら」のような接続詞は、会話の中では多用されるものですが、文章で多用すると、回りくどく理屈っぽい印象となり、読みにくいものになってしまいます。前後の文の関係からどうしても必要なもの以外は、すべて取り去ってしまいましょう。ここでも例をあげてみます。

ただ、単なる日記や業務上のお知らせのようなものをいくら書いても、それらの記事に集客するのは難しい。なぜなら、コンテンツは「娯楽か教養を提供する」ものを指すが、一般に日記やお知らせはそれらに該当しないためだ。というのも、あなたが多くのファンを持つ有名人であるか、またはあなたの会社が注目の有名企業であるような場合なら、日記やお知らせでも人は呼べるだろうが、そうしたケースは少ない。

実は、書くべきことは、あなたの普段の業務の中にある。つまり、あなたは日常的に、見込客や顧客、取引先や従業員などの様々な人々から、様々な質問を受け、それらに対して的確かつ鮮やかにアドバイスやレクチャーを提供しているはずである。要するに、それこそがあなたに求められるコンテンツであり、豊富な知識や経験に裏打ちされた確かな教養として、ウェブ上でも同様に提供すべきものなのだ。

そして、あなたが持っているプロとしての確かな知見は、オフラインでそうであるように、オンラインでも必要とされ求められる。ならば、それをウェブ上に共有すれば、それを求める人々が集まってくる。しかも、集められるのはアクセスだけではない。さらに、あなたやあなたの知識が有用であるという評価も集まる。詰まるところ、これがオンラインでの信頼獲得のプロセスである。

上の例で赤字で示した部分が接続詞です。口語に近い文体で書く人ほど接続詞を多用する傾向があるように思いますが、たとえ口語体であろうと、文章としてアウトプットする以上は、少し気をつかったほうがいいでしょう。

下の例では、上の例の文から接続詞をすべて取り去りました。上の例にあった接続詞はすべて文意を伝える上では不要なものばかりで、それらを使うことによってかえって冗長で回りくどい印象を与える一方、なくても意味が通じるものばかりだからです。

単なる日記や業務上のお知らせのようなものをいくら書いても、それらの記事に集客するのは難しい。コンテンツは「娯楽か教養を提供する」ものを指すが、一般に日記やお知らせはそれらに該当しないためだ。あなたが多くのファンを持つ有名人であるか、またはあなたの会社が注目の有名企業であるような場合なら、日記やお知らせでも人は呼べるだろうが、そうしたケースは少ない。

書くべきことは、あなたの普段の業務の中にある。あなたは日常的に、見込客や顧客、取引先や従業員などの様々な人々から、様々な質問を受け、それらに対して的確かつ鮮やかにアドバイスやレクチャーを提供しているはずである。それこそがあなたに求められるコンテンツであり、豊富な知識や経験に裏打ちされた確かな教養として、ウェブ上でも同様に提供すべきものなのだ。

あなたが持っているプロとしての確かな知見は、オフラインでそうであるように、オンラインでも必要とされ求められる。それをウェブ上に共有すれば、それを求める人々が集まってくる。集められるのはアクセスだけではない。あなたやあなたの知識が有用であるという評価も集まる。これがオンラインでの信頼獲得のプロセスである。

接続詞を削除しただけですが、文から回りくどさや理屈っぽさが抜けて、構造が明確になり、読みやすく理解しやすいものになったはずです。文章の流れによっては、文と文の関係性を明示するために接続詞が必要になることはありますが、そうでもない場合には、接続詞はできる限り削除したほうが文章は締まります。

適切な見出しを使う

改行と段落を適切に使うで説明したような意味のある段落は、いくつか集まってより大きな話題を扱っているはずです。その、複数の段落にまたがって語られる話題ごとに、見出しをつけてみましょう。大きく話題が転換するところで、その次の話題を適切に表す見出しがでてくると、文章はより読みやすくわかりやすくなります。

<h1>記事タイトル</h1>
<p>リード文</p>
<h2>第2レベルの見出し</h2>
<p>段落</p>
<p>段落</p>
<h2>第2レベルの見出し</h2>
<p>段落</p>
<p>段落</p>
<p>段落</p>
<h2>第2レベルの見出し</h2>
<p>段落</p>
....

上に示したように、段落のまとまりごとに見出しをつけ、全体の話題の流れを見渡しやすくします。これを実施すると、読み手にとっては記事の論理的な構造を理解しやすくなり、書き手にとっては論理的な構造の破綻を防ぐことができ、記事はずっと引き締まったものになります。

見出しの見た目の調整ですが、見出しの装飾は(ほとんどの場合)すでにデザイナーさんが設定してくれてあるか、テンプレートにあらかじめ存在していますので、簡単な操作でサイト全体で統一のとれたスタイルを適用できます。

TinyMCE (Wordpress や Movable Type の標準のビジュアルエディタ)を使っている場合なら、見出しに設定したい文字列にカーソルを合わせて、パレットの「フォーマット」から見出しレベルを選ぶだけです。

見出しの設定例1

最近僕が納品したものですと、フォーマットの選択は下のようになっています。使わないものは非表示になっていて、フォーマットは段落、大見出し、小見出しの三種類しか選択できなくしてあります。記事の本文中で使うフォーマットはこの三種類だけで十分だからです。

見出しの設定例2

見出しの役割や書き方については記事「h要素(見出し要素)の最適化」と「SEOのコピーライティング」で説明しています。わかりやすい見出しを適切なタイミングで使って、より読みやすく理解しやすく、そして殺風景でない記事を書いてください。

なお、長い文章による記事(10,000字を超えるような)を書く場合には、本文を書き始めるよりも先にあらかじめ見出しを考えておくほうが、記事の構造を整えやすく効率的です。記事全体のアウトラインを考え、その構成に沿って見出しをつけ、それぞれの項目について本文を書いていく、という順番です。

この記事では「書いた文章をブラッシュアップする」という意図で、まずは本文を書き、その後で見出しを設定するという説明をしていますが、この方法はすでに書き上がった記事をあとから修正していく場合と、記事全体がそれほど長くない場合に有効な方法です。

ではここで、ここまで上げてきた例文をまとめて、見出しをつけてみましょう。例文の記事もほぼ完成ですので、タイトルとリード文も含めて、記事の全体像が見えるようにしてみます。

コンテンツで集客し信頼を獲得する

SEOやソーシャルメディアを使った集客を考えるとき、コンテンツは必要不可欠なものである。この記事では、集客におけるコンテンツの役割から、作るべきコンテンツのテーマ設定、そしてコンテンツを作ることによって書き手が得られる信頼について述べていきます。

コンテンツの役割

検索エンジンやソーシャルメディアからサイトに読者を集めるためには、コンテンツ(読者に娯楽か教養を提供するもの)が必要だ。コンテンツがあれば、読者はそれを読むという理由でサイトを訪問してくれるが、コンテンツがなければ、読者がそのサイトにアクセスする理由はない。

娯楽や教養を提供するコンテンツがないのに人を集めようとする場合、広告またはスパムを使用することになる。多くのサイトはコンテンツを持たず、売り込みと自慢で埋め尽くされている。そんなサイトに自分の意思で好んで訪問する読者はいない。有効な集客手法は、有料の広告に限られてしまう。

広告はうまく使えば有用だが、制限もある。有料であるために、積極的に集客してよいのは顕在化したニーズを持った見込客、つまり即時に売上げにつながりそうな人々だけに限られてしまうことだ。ニーズがいまだ顕在化していない潜在客の訪問は、集客を広告だけに頼るのであれば諦めるほかない。

無料のトラフィックの役割

サイトにコンテンツを追加することは、読者を呼び寄せるということ以外にも重要な役割を持つ。それは顧客育成である。継続的にコンテンツを追加することで読者の再訪を促進し、反復効果によって親しみや信頼を醸成する。このプロセスを経て、潜在客を見込客へ、見込客を利用客へ、利用客を顧客へ、顧客を得意客へとステップアップさせていくのである。

とりわけ潜在客を見込客へと育てるステップは、他の手法では実現が困難であり、記事を通じた顧客育成は重要である。即時に売上げにつながらない潜在客を集めるために有料トラフィックを使うことは、費用対効果の面から難しいためである。潜在客の集客は、検索エンジンやソーシャルメディアのような無料のトラフィックを使いたい。

プロとしての知見でアクセスと信頼を集める

単なる日記や業務上のお知らせのようなものをいくら書いても、それらの記事に集客するのは難しい。コンテンツは「娯楽か教養を提供する」ものを指すが、一般に日記やお知らせはそれらに該当しないためだ。あなたが多くのファンを持つ有名人であるか、またはあなたの会社が注目の有名企業であるような場合なら、日記やお知らせでも人は呼べるだろうが、そうしたケースは少ない。

書くべきことは、あなたの普段の業務の中にある。あなたは日常的に、見込客や顧客、取引先や従業員などの様々な人々から、様々な質問を受け、それらに対して的確かつ鮮やかにアドバイスやレクチャーを提供しているはずである。それこそがあなたに求められるコンテンツであり、豊富な知識や経験に裏打ちされた確かな教養として、ウェブ上でも同様に提供すべきものなのだ。

あなたが持っているプロとしての確かな知見は、オフラインでそうであるように、オンラインでも必要とされ求められる。それをウェブ上に共有すれば、それを求める人々が集まってくる。集められるのはアクセスだけではない。あなたやあなたの知識が有用であるという評価も集まる。これがオンラインでの信頼獲得のプロセスである。

この記事を書きながら仕上げた即席の例文ではありますが、それなりの体裁になったのではないかと思います。体裁というのは意外に大切なもので、整った体裁になっていれば整った印象を読者に与えますし、逆もまたしかりです。せっかく書くものですから、きちんとした体裁で公開したほうがよいのは間違いありません。

公開する前に推敲する

文章のプロである新聞記者や小説家ですら、書き上げた原稿は何度も何度も推敲するものです。さらに編集者のチェックも入ります。プロですらそうしているのに、僕たち素人がそれをサボるわけにはいきません。ささっと書いて、まったく読み返しもせずに公開する、などということはあってはならないことです。

あなたが書いている記事は、現在や未来のお客さまに見ていただくためのものです。社業における専門家であるあなたの信頼を損ねないように、記事はきちんと仕上げたいものです。また、お客さまだけでなく、取引先や同業者に読まれても恥ずかしくないようにしなければなりません。推敲にあたって確認したいポイントは、ここまで述べてきた順に次の通りです。

  • 読むと得するポイントは明確になっているか。それはタイトルやリード文に書かれているか
  • 記事の主題と無関係な話題は盛り込まれすぎていないか。主題がぼやけていないか
  • 改行と段落はわかりやすく設定されているか。無駄な改行は多すぎないか
  • 文字の装飾が過剰になっていないか。本文と無関係な画像が使われていないか
  • 接続詞が多用されていないか。不要に回りくどい表現になっていないか
  • 見出しは使われているか。見出しの文字列はそれに続く内容を適切に表現したものになっているか

これら以外にも誤字脱字、言葉の誤用、重言(頭痛が痛い)などには注意が必要ですが、それらは校正支援機能(MS Word やAtok などの)を使うことで比較的容易に間違いを見つけることができます。この記事で説明した各項は、それ以外の、自動化こそできないけれど、書き手の手間をちょっと加えて文章をブラッシュアップできるポイントをまとめたものです。

この記事で紹介したポイントは、ほとんどが記事の体裁を整えるためのもので、いわば定型の書式のようなものです。まったく自由に思いついたままに書くよりは、ある程度の型を持っていたほうが書き手にとっては書きやすくなりますし、その型が一般に馴染みのある普遍的なものなら読み手にとっては読みやすくなります。

せっかく手間をかけて書いた記事を不完全な状態で公開し、不完全な反響しか得られないのはもったいないことです。記事を書いたらそのまま公開するのではなく、もう一手間加えてブラッシュアップし、よく体裁を整えてから公開することを心がけてください。ほんの一手間かけるだけで、記事は読みやすくわかりやすくなり、得られる反響も変わってくるものです。