インターネットの時代を迎えて、情報収集や情報発信では地域格差のようなものはなくなりました。むしろ、地方のほうが有利に働くこともあるくらいです。地方在住者のメリットについて、2006年11月25日に飛び入りで登壇したCSS Nite in Osakaで話した内容の後録です。

地方のマーケットは小さい

僕のキャリアのスタートは、首都圏の端っこに位置する千葉県千葉市からでした。僕のイメージの中では、千葉市から見た首都圏というのは巨大すぎるほど巨大なマーケットで、いわば目前にそびえ立つ大きな山のようなものでした。その山だけで視界はふさがれ、取得する情報はその山のことばかり、仕事もすべてその山のため、という印象です。

翻って、今回の CSS Nite の開催地となった大阪(現在の僕の居住地でもあります)は、一応のところ日本で二番目の大都市圏とされており、確かに全国的に流通しているものの中でも芸能や食文化や電化製品、サービス業などでは関西発のものは数多くあることなどから、また街の様子を一見した限りではケタ外れの大都市に見えます。

こうしたことから大阪も、それなりの規模のマーケットがあるように見えなくもありません。しかし事実は、東京を中心とする首都圏と、大阪を中心とする関西圏のマーケットサイズには約10倍の開きがあるとされており、僕たちWeb制作者は、大阪で流通している情報を元に、大阪にある仕事だけで食べていくことは非常に困難です。

自然に視野が広がるのが地方の良さ

地方のマーケットサイズの小ささを単にデメリットと考えるのは、僕は大間違いだと考えています。今回のCSS Nite in Osaka に集まった人々の大半は、大阪を中心とする地方在住者でしたが、このインターネット時代においては、地方在住というのは大きなメリットになりうるのです。その理由を以下に列挙してみます。

  • 情報収集だけを考えても、近場で得られる情報だけでは足りないので、インターネットを使って日本中、世界中から情報収集をするため、日本全体の現状や世界の現状に目が向きやすく、よりグローバルな視点が得られる。
  • 仕事を得るにしても、地元の仕事だけでは足りないので、日本中、世界中の仕事に手を出す(関西の電器メーカーをはじめ、多くの地方の会社は商品開発の時点で海外での販売も視野に入れていますよね)
  • 必要とあればどこにでも足を運ぶフットワークの軽さがある
  • 情報を発信する際も、特に中央(東京)だけに限らず、広く日本全国、果ては全世界に向けた情報発信を志向する(僕の知り合いでは北海道の高木さんあたりが顕著)
  • たくさんの人と対面して情報交換する頻度が比較的低いため、必然的にオンラインでの活動が活発になり、同時にリテラシーも高まる。

別に、地方在住がデメリットだと考える人々は、そのまま東京にぶら下がる形で仕事を進めていただいて結構なのですが、首都圏から関西圏へと仕事場を移した僕からいわせてもらえば、首都圏にもメリットとデメリットがあり、少なくとも僕にとっては視野の広さという点では地方にこそ高いアドバンテージがあると考えています。

情報の流通に地域格差はない

少なくとも僕たちの業界では、東京の情報も、ワシントンの情報も、大差ありません。どれもインターネットを使って集める、といった意味で共通なのです。現に、僕が記事「SMOによる被リンク構築」を書いた際に参考にしたサイトは、ワシントンDC、シリコンバレー、ロスアンゼルス、クイーンズタウン、スプリングパーク、コルカタという具合で、こうなってくると中央も地方も東京も大阪もありません。

東京にいれば、東京しか見えず、また東京以外は見る必要もなく、したがって視野は狭くなってしまいがちです。しかし僕たち地方在住者は、日本中、世界中に視野を広げざるを得ません。僕たちはそのメリットを最大限に活用していくべきでしょう。

特に、日本の地方の情報を収集するということに関しては、首都圏の人はほとんど何もしていません。情報のデバイドという意味では、むしろハンディキャップを背負っているのは首都圏在住者なのであって、地方在住者ではありません。

今の時代、情報収集はどこにいてもできます。僕が思うには、むしろ地方のほうが優位なくらいです。では情報発信はどうでしょうか? これもまた、インターネットやWebを使う限りにおいては、地方格差などというものは存在しません。むしろ、場合によっては「地方発」ということで逆に注目を集めてしまうようなケースさえあるくらいです。

まさに世界は平らになっています。地方在住者は、それ自体をメリットと捉え、今後一層の活躍をしていくべきです。

以上が、僕が CSS Nite in Osaka で話したこのと後半です。前半の話は「とにかくアウトプットせよ – CSS Nite in Osaka 後録」にまとめてあります。こちらもお読みいただけると幸いです。