ブログやSNSなど各種のソーシャルメディアは、いわばオンラインの社交場です。そこでは、コミュニティに参加し、挨拶を交わし、情報を交換し、歓談し、議論する、つまりは一方通行でない双方向のコミュニケーションが求められます。SMOを成功に導くためには、この基本を忘れないことが重要です。

ソーシャルメディアの前提は社交

頻繁にご相談をいただくテーマのひとつに「SMOがうまくいかない」というものがあります。たいていは、社長ブログや広報ブログとかをやっているものの思うようにはトラフィックは伸びず、したがって思うようにはクチコミも広がらず被リンクも増えない、というような内容です。

そこで、うまくいかないというそのブログを見てみると、そのことごとくが、ただ書いているだけ、というブログ。ブログを書くというのはそれ自体は結構なことですが、しかし、それだけではSMOをやっているとは言えません。SMOというのは双方向のものなのです。

こんな失敗(というか勘違い)が頻発するのはなぜだろうと考えていたところ、思い当たったのは、もしかしたら SMO(Social Media Optimization)を単純に「ソーシャルメディア最適化」と訳して紹介されていることが、失敗の一因かもしれないな、ということです。

というのも Social Media という言葉は、本来は「社交の手段」とかそんなような意味合いを強く含でいます。社交(Social)の手段(Media)という意味を踏まえた上で、ブログやSNSやフォトシェアリングやビデオシェアリングやソーシャルブックマークのような、いわゆる「共有サービス」全般が Social Media と呼ばれています。共有サービスというのは、その前提に社交があるのです。

社交場に出たら社交をしなければ意味がない

社交というと、僕ならカクテルパーティーとかそういったものを想起しますが、それを例にすると、カクテルパーティーの場で社交として行われることというのは、個人同士で挨拶しあったり、友人や知り合いを紹介しあったり、情報を交換しあったり、雑談やうわさ話をしたり、時には議論したり、といったようなことです。これが社交。

もちろん実際のカクテルパーティーの会場には、片隅で一人グラスを傾けながら壁に向かって独り言をつぶやいているような人もいるにはいます。付き合いで仕方なく主席したような会合の場では、僕自身だってそういう人になりがちです。でも、それだったら出席しなくても同じか、出席しない方が気楽でいいくらいです。社交の場で社交をしないなら、出席する意味がありません。

ここで SMO に話を戻します。Social Media Optimization を「ソーシャルメディア最適化」などという不親切な言い方ではなく、より本来の意味に近づけて「社交手段の活用」のような言い方をしていれば、冒頭で述べたような失敗は防げたのではないか、というのが、いま僕が考えていることです。

ブログを開設するというのは、いわばカクテルパーティーに出席するようなものです。せっかくそこまでしておいて、他の人に挨拶もせず、知己を紹介しあうこともせず、情報を交換することもせず、歓談することも議論を交わすこともせず、ただ片隅で独り言をつぶやくというのでは、何の意味もありません。他者と交流しなくては、社交は成立しないのです。

双方向コミュニケーションを意識する

他のブログとの交流を避け、ブログのコミュニティに参加せず、つまりは社交を行っていない状態で「SMO がうまくいかない」などと言われても、僕からすれば、そもそも SMO なんてやってないでしょう、としか言いようがありません。営業職の社員をカンファレンスやパーティーに送り出すとき「名刺をn枚あつめるまで帰ってくるな」とか言っているその同じ人のブログ上では何の交流も社交もない、などというのは笑えない冗談です。

もちろん、社交を意図しないブログもあるでしょう。個人的なつぶやきや所感や近況などを、ごく近しい人々だけに向けて、あるいは個人的なメモとして、書き留めていくようなブログです。こういうブログなら社交は必要ないかもしれません。しかし少なくとも、社長ブログや広報ブログというのは、そういう性質のものではないはずです。

ブログを通じてトラフィックを集めたり、クチコミを広げたり、または被リンクを集めたり、ということを意図しているなら、Social Media とは社交の手段を意味することや、ブログはカクテルパーティーのようなものであるということを意識した上で、本来の意味での SMO(僕は「社交手段の活用」くらいがふさわしい訳語であると考えます)を始めてみることをおすすめします。

ブログをはじめとする各種のソーシャルメディアは、一方通行の垂れ流しではなく、双方向のコミュニケーションに適した形にデザインされています。まずは双方向性を意識し、社交を始めること。それがスタート地点であり、うまくいかないなどの結論を出すのはそのあとです。