90年代から繰り返し言われ続けてきた「サイトのアクセスアップのためには更新が欠かせない」という言葉。これは事実であり、サイトの運用上きわめて重要なことですが、重視しているサイトは全体からすれば一部にとどまるようです。この記事では、サイトのアクセス増加にサイトの更新が必要な理由を5つにまとめて解説・確認します。

始めに「更新」とは何か

日本語における「更新」または英語の「update」という言葉は、ほぼ同じ意味で使われますが、どちらにも2つの意味が含まれており、両方に共通しているのは「最新の状態に保つ」ということです。サイトの更新ということに限って言えば、その2つの意味とは次のようなものになるでしょう。

意味1:新しい記事の追加
「サイトを更新する」という文脈で使われ、サイトを最新の状態に保つために新しい記事を追加することをいう
意味2:古い記事の改訂増補
「古い記事を更新する」という文脈で使われ、古い記事を上書きして最新の状態に改訂することをいう

サイトへのアクセスの増加という意味ではより重要なのは上記の「意味1」のほうですが、移り変わりの激しい話題を主に扱っている場合には「意味2」もまた重要です。次に、こうしたものが重要または不可欠であると言われる理由について、順に説明してきます。

1. リピーターの再訪を促すため

リピーターに再訪をうながすきっかけとして最もよく機能するのは、新しいコンテンツをサイト上に追加することです。逆に言えば、新しいコンテンツを追加することなしに再訪してもらうことは非常に難しいということです。

通常、人は昨日とまったく同じ情報を今日もまた取得しようとは考えません。筆者も含め、私たちは定期的に訪問するサイト(ニュースサイトやSNSなどのような)をいくつか持っていますが、それらを定期的に再訪する理由は「そこにアクセスすれば新しい話題や情報があるから」です。

更新されないニュースサイトや、誰も発言しないSNSに用はありません。同様に、新しい情報が追加されないサイトに再訪する理由もないのです。

2. クチコミを発生させるため

新しい話題となるコンテンツを提供することは、単にリピーターの再訪を促すために必要というだけでなく、そうして再訪してきたリピーターを起点に発生するクチコミを通じて、新しい読者を連れてくるためにも必要です。

クチコミを広げるためには、その題材となる新しい話題が必要です。人々は、特にソーシャルメディア上においては、過去の話題よりも最新の話題を好みます。1年前に公開したコンテンツよりは、今日公開されたコンテンツのほうが話題にしやすいのです。

極端な話、同じようなことが書かれたコンテンツが複数あったとして、話題にしやすいのはより新しいもののほうです。この意味から、定期的に新しい記事をサイトに追加していくことは、クチコミを発生させるために最低限必要な取り組みであることがわかります。

3. 記事のストックを増やすため

新しく追加したコンテンツが、ソーシャルメディアなどを通じて多くのトラフィックを集められる期間はそう長くありません。コンテンツの公開から数えれば、せいぜい数日から1週間程度で、爆発的なトラフィック誘導は終了するでしょう。

しかし、ソーシャルメディアから検索エンジンに目を向ければ、ソーシャルメディア上では旬を過ぎたコンテンツであっても、検索経由のトラフィックは徐々に増加していくことに気付くでしょう。検索経由のトラフィックは持続性があり、長期間にわたってトラフィックを呼び込み続けるのです。

オーガニック検索エンジンからのトラフィックを呼び込み続けるコンテンツをサイト内に蓄積していくことは、ある意味ではサイトの資産構築のようなものです。高品質な記事をサイト内に数多くストックしていくことによって、検索や参照のトラフィックは安定して増加していきます。

4. ライティングスキル向上のため

いまやすべてのウェブマスターにとって必須のスキルは、文章作成やそれにまつわる企画や構成や表現や編集のスキルです。こうしたものを効率よく学ぶ方法もありますし、そうしたものも有益ですが、しかし残念ながら、学ぶだけでなく身につけるとなると、やはり実践を繰り返すほかありません。

中小零細企業において、サイト運用者は文章のプロであることは稀です。しかし、その企業の事業内容においてはプロであり、プロとしてコンテンツを公開する以上は「プロらしい」ライティングが必要です。そのためには、文章の構成力や表現力、そして内容を一義的に伝えるための適切な校正力が必要です。

こうしたスキルは、ある程度の基礎を学んだ上で、あとは実践によって鍛え上げてい過なければなりません。その実践とはつまり、ごく簡単に言えば、サイトに新しいコンテンツをどんどん追加していくことです。数をこなす以上に確実な習得法はありません。

5. 古くなったコンテンツを復活させるため

ある程度の長期間にわたって運営されているサイトであれば、情報が古くなってしまい読者に価値を提供できなくなった、または間違った知識を提供してしまうようになった、といったコンテンツが多く含まれているのは自然なことです。こうしたコンテンツについて、古いものを上書きして最新の状態に改訂することも有意義です。

内容が古く、場合によっては不正確だったり間違いだったりするようなことになってしまったコンテンツをそのまま放置していれば、訪問者をがっかりさせるか、間違った知識を持ち帰らせるかのどちらかの結果を生み、いずれにしても好ましいことではありません。

できることなら、古くなってしまったコンテンツにも手を入れ、最新の状態に改訂し、訪問者を裏切らないようにメンテナンスすべきです。こうした取り組みは、主に検索経由の訪問者の体験を改善することにつながります。また、そうして改訂作業を行ったことを適切に告知すれば、新規のコンテンツを追加したときと同様の効果も得られるでしょう。

まとめ

ウェブサイトとユーザーをつなぐ接点はコンテンツです。それがソーシャルメディアを経由したものであれ、検索を経由したものであれ、その事実は変わりません。コンテンツを増やすことはつまり、ユーザーとの接点を増やすことにつながるのです。

そしてコンテンツは多くの場合、古いものよりも新しいものが好まれます。これこそが、90年代から繰り返し言われ続けてきた「サイトのアクセスアップのためには更新が欠かせない」という言葉の意味です。放置され訪問者のないサイトに価値はなく、新しいコンテンツが追加されないサイトにも価値はありません。

そしてSEOの観点からは、新しい話題を提供し、リンクグラフやソーシャルグラフのようなシグナルを検索エンジンに送るサイトが、検索結果において優遇されます。しかしこれは、実在の人間が話題していることを検索結果に反映させようとする試みに他なりません。

結局のところ、サイトのオーディエンスに満足を提供することを第一に、満足を提供できるコンテンツをより多く蓄積することや、そうしたものを発信していくためのスキルと習慣を身につけることを考えていけば、更新を通じたベストプラクティスは自然と自分のものになるでしょう。